帰国枠入試相談室

第63回 2015年度首都圏帰国枠中学入試の状況

2015年9月4日

JOBA本部が行った学校への入試アンケートをもとに、2015年度の首都圏の主な帰国枠中学入試実施校の受験者数と合格者数を表にまとめました。以下には、過年度と比較した本年度入試の特徴および受験に向けた注意点をお伝えします。

<帰国枠中学入試結果>

(表をクリックしていただくと、大きな表が表示されます。)

〈受験験者験者数横ばい〉
表に示した学校の総受験者数を比べると2015年度は2014年度より178人増加しています。ただし、新設校の開智日本橋学園と新たな入試日を設けた市川中学の受験者数合計の105人を加えていますので、今年度の受験者実数は昨年とほぼ同数か微増だったと考えてよいでしょう。なお、今年度の平均倍率(のべ受験者数÷のべ合格者数)は1.79倍で、昨年度の1.85倍からわずかに下がりました。ちなみに、過去5年間の総受験者数は年々増えており今年度が最大ですが、平均倍率は年々下がっています。入試日数を増やしたり、帰国枠入試を新たに設ける学校が毎年あり、受験生に比べ帰国生の受け入れ枠が大きくなっているためです。

〈今年度の注目校〉
昨年度より帰国枠入試を開始した東京都市大附属中学は、1年目から145名もの受験生を集めましたが、今年度はさらに受験者数が増え192名でした。他校と併願しやすい入試日程であることもありますが、理科教育に力を入れて高い進学実績をあげてきたことが人気の主な理由です。また、新設で全面ガラス張りの明るい校舎や人工芝グランドも受験生を惹きつけるようです。かえつ有明も昨年度より受験者数が大幅に増えています。海外留学を視野に入れた高いレベルの英語教育を行っていることが魅力で、私どもの生徒の中には、従来の人気校である攻玉社への入学を辞退し、かえつ有明に進学を決めた子もいました。

〈人気校の倍率〉
一般入試に比べて倍率が低い帰国枠入試でも、人気校の中には3倍を超えている学校もあります。渋谷教育学園渋谷(国算英型4.6倍、国算作型3.55倍)、海城B入試(4.8倍)、渋谷教育学園幕張(3.29倍)、広尾学園(3.15倍)などです。なお、渋谷教育学園渋谷と渋谷教育学園幕張は、女子の合格者の方が多く、男子だけの倍率で見ると、渋谷教育学園幕張が4.89倍、渋谷教育学園渋谷は、国算英型も国算作文型のいずれも6倍を超えていました。

〈併願校の決め方〉
来年度の受験生の保護者の方々にとって、今は情報収集に余念がない頃かと思います。この時期には第一志望校の他に、併願校を決めてほしいところです。併願校を決める際に大切なことは、倍率の低い学校を併願校の一つにすることです。また、それらの学校の中から、第一志望校よりも早い日程の学校を少なくとも一校は探すことが大切です。第一志望校の前に合格を勝ち取れば、子供は自信を持ち、次の意欲に繋げやすいからです。倍率が低いから学校全体の評価も低いというわけではありません。表に上げた帰国子女受け入れ校には魅力の多い学校が少なくありません。学校案内書を手に入れ、また実際に学校を訪問するなどして、数字には表れない学校の取り組み全体を知り、お子様に合った学校を探してほしいと思います。

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