校長だより

苦手科目を克服する方法

2017年1月10日

私どもJOBAでは1月が今の学年の最終月で、新学期が2月から始まります。生徒には、新学期を迎える前に苦手科目を克服してほしいところです。そこで今回は、どうしたら苦手科目を克服できるのか、その方法をお伝えしたいと思います。

ある科目を苦手だと感じるのは、宿題ができないことが続いたときや芳しくない試験の結果が続いたときです。中にはその程度では何とも思わないような強者の生徒もいますが、親や周りが「この子はできない。」と言い始めると、さすがにこの強者も気にし始めます。子供が、自分ができないことを全く気にした素振りを見せないとなれば、誰でも皮肉の1つぐらいは言いたくなるでしょう。ただ、ネガティブな言葉を投げかけても状況は悪化するだけで、何の改善にもつながりません。うすうす自分は苦手かもと思っていたところに、思いっきり烙印を押されるわけですから、呪縛されたかのようになり、その状態からなかなか抜け出せなくなってしまうのです。

ある科目に苦手意識を持つと、その科目をどうしても遠ざけがちで、その勉強に割く時間は自ずと減ってしまいます。学習時間が少ないわけですから、決してできるようにはなりません。苦手科目を克服するには、まずは苦手意識を取り除くことが大事で、そのためには、周りは絶対にネガティブな言葉を言ってはいけませんし、そのような思いさえ持たせてはいけないのです。宿題ができなかったり、試験の結果が悪かったりすれば、実はどんな子でもそのことを気にしています。気にしていないような素振りを見せるのは、自分自身で自分の存在を守るために、自分ができないことを忘れようとしているからでしょう。

「できない子」に対してネガティブなことを言ってはいけませんが、待っているだけでも、本人の苦手意識は消えません。学習内容がわかり、問題が解けるようになるしかないのですが、初めから本人がつまずいた宿題や試験がわかるようになる必要はありません。わかる・できるという経験を積むことが大事で、宿題や試験はとりあえず置いておき、基本に立ち返ることが大事でしょう。

今から1月末までは、私たちの授業も新たな単元を学ぶことは少なくなりますので、復習をするには最適な時期です。苦手科目については、易しくて薄い問題集などを用意して一気に取り組んでもらうと良いでしょう。その中で、どこまではわかっていて、どこからわからなくなったのかを知ってもらうようにするのです。これだけで、漠然とした苦手意識の呪縛からは解放されるはずです。よくわからなかったり、できなかったりしたものは、教師や親に聞くよう仕向けるとよいでしょう。そこで本当によく理解すれば、もっとわかりたい、さらにわかりたいと思うようになるはずです。

ところで、本当に理解するとは、問題が解けて答えが合っていればよいわけではありません。本質を理解することが必要で、そうしなければ、わかるという喜びは得られず、継続した学習へのモチベーションアップにはつながらないのです。苦手科目を克服するには、苦手意識を取り除いた後に試験における得点をあげることが必要ですが、それには継続して勉強するしかなく、そのためのモチベーションをどのようにして保つかが大事です。このモチベーションに最もつながりやすいのが、本質を理解することなのです。アメもムチも効果は長続きしませんので、注意が必要です。

さて、苦手科目を克服することは、単に試験における得点をあげるために必要なわけではありません。どうすれば苦手なことも克服できるのか、その術を知ることが大事なのです。一度この術を身に着けたら一生にわたって役立てることができるでしょう。つまり、子供が苦手科目で苦しんでいるときに、ただ手助けすればよいわけではないのです。本人に、どうしたら克服できるようになるか、いろいろな方法を考えてもらうことが大事なのです。

先日、ある小学生が、センター試験前の自習の時間に、誰に言われたわけでもなく過去の試験問題の復習をしていました。この子は算数が苦手だと言われてきた生徒ですが、苦手なことを克服する術をとうとう身に着けたように思えて無性にうれしくなりました。苦手な科目は、飛躍へのチャンスをもたらすものだといえるかもしれません。

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