校長だより

伴走者

2010年12月1日

中学・高校入試が目前に迫り、受験生を抱えるご家庭では不安が尽きないことと思います。この時期になっても集中して勉強している様子が見られないとなると、親にとっては不安が募るばかりですが、例年このような生徒は少なくありません。以下では、受験までの期間、家庭ではこのような状態の子供をどう応援したらいいのかを考えたいと思います。

まず第一に大切なことは、このような子供も決してやる気がないわけではないということを理解してあげることです。多くのケースでは、本人の話をよく聞いてみると受験のことが心配で何とかしなくてはと思っています。ただ、失敗に対する不安が大きすぎて、なかなか没頭できずにいるのです。

二番目に大切なことは、失敗に対する不安を取り除いてあげることです。失敗するのではないかとビクビクしていると、集中してやり抜くことは困難だからです。「失敗してもいいんだよ。失敗してもまた次にチャレンジすればいいんだよ。七転び八起きと昔から言うじゃないか。」と言ってあげてほしいと思います。私どもの進学指導では、受験校を決める際に、失敗した場合にはどんな方法を取るかも考えていただくようにしています。このことをしっかりと考えておけば決して受験を恐れる必要はありません。あとは、本人が迷うことなく目標に向かって努力するだけです。

三番目に大切なことは、安心感を与えることです。具体的には「伴走する人」が必要です。不安を抱いているときには、誰か気にかけていてくれる人がいるだけで、精神が安定し、集中力も増してくるものだからです。過去を振り返ってみても、困難な状態から立ち直り合格を勝ち取った生徒には、必ずと言っていいほどにこの伴走者がいました。ある生徒のお母さんは、娘と一緒に朝5時に起きテストの採点を手伝い、ある生徒のお父さんは、日曜は自宅に兄弟がいて勉強に集中できないために会社に連れていき勉強をみてあげたということです。大リーグのイチロー選手の集中力には、伴走者の父親の存在が大きく影響していると言われていますが、イチロー選手の父親は10年以上にわたり練習から帰ってきたイチロー選手の足揉みを続けたそうです。

受験生に親ができることは限られていますが、それでも親ほどに影響力をもった人は他にいません。受験生の保護者の皆様には、悔いのないような応援をしていただきたいと思います。

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