JOBA ロンドン校
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校長だより

毎月、塾生の方にお配りしている月例通信より、校長だよりを以下に掲載します。

2010年2月 「Mud Patty」

Mud Patty をご存じですか。
文字通り泥でできたパテで、パンケーキのような形をしたものです。泥に水を混ぜ、そこに塩、バター、ときには砂糖を入れてこねあわせ、この生地をパンケーキ状に引き伸ばし、照りつける太陽の下、コンクリートの上に1日干せば完成です。とても食べ物には思えないような代物ですが、生活の糧を得るために、このMud Patty を作り続ける人々がおり、また空腹を紛らすために買う人たちがいます。ハイチのスラム街でのことです。

「バックパックプロジェクト」と募金活動を通して関わってきたSIR(Scottish International Relief)から送られてきたニュースレターとSIRのホームページにある映像を見て愕然としました。映像に描かれたハイチの首都ポルトープランスにあるスラム街Cite Soleilには、北半球最大と考えられる30万人もの人々が、近くの工場などに職を求めて生活しています。ところが、その多くは仕事が見つからず、まともな食べ物にもありつけず寄生虫に住処を与えることになるようなMud Pattyにまで、手を伸ばさざるを得ないというわけです。ゴミだらけのこの街には、人口の10倍ものネズミが住み着いていると言われ、病原菌を持ち込むネズミとの戦いもあります。また、行き場のなくなった人々の暴力と犯罪も絶えず起きています。

ハイチは、これまで、国内政治の混乱と国際社会からの経済制裁、自然災害などが続き、厳しい経済社会状況下のおかれています。貧困はCite Soleilだけの問題ではなく、人口の約半数に相当する380万人が慢性的に栄養失調状態にあると言われています。

このハイチで地震が起きました。
SIRは、2006年から、ハイチでもMary's Mealsと称した子供たちの救援活動を始め、学校を通して12000人の子供たちに食事を配給してきました。SIRは、「まずは食事、そして教育こそが貧困を救う。」と、現場に即した活動をしてきたチャリティー団体です。この地震で、SIRへの期待は益々高まっています。

この度JOBAでは、ハイチで救済活動を行うSIRに募金をすることにしました。賛同してくださる方は、右の要領で、チェックをお送りください。なお、たった6.15ポンドで1人分1年間の食事代を確保することができるそうです。

上記映像、SIRの活動は、以下で見ることができます。
http://www.marysmeals.org/haiti-appeal/?page_id=2
ご協力のほどよろしくお願いします。

2010年1月 「新年度に向けて」

冬休みの作文課題とした「2010年 今年こそ実現してみせる」には、センター試験でよい点を取りたい、算数ができるようなりたい、読書に力を入れたい、など勉強面の目標を取り上げた生徒が少なくありませんでした。そして、それらの作文からは、塾の宿題だからと無理に合わせているようなところは全く感じさせられず、むしろ生徒の満ち溢れる意欲を感じることができました。

子供たちは元来、学びたい、できるようになりたいという気持ちを強く持っているのだと改めて思わされます。そして、新しいことの始まりを、大人が感じるよりもはるかに新鮮に受け止め、胸を躍らせることができるのだと思います。

このチャンス、私たち教師にとっては逃す術はありません。生徒の意欲を大切に、学習への興味を大いに引き出し、学力アップを計ってもらえるよう努力したいと思います。

今年、文部科学省の指導要領の変更に伴い、JOBAでも、小学標準コースの算数の指導カリキュラムを大幅に変えます。基本的には、現指導要領に変更した2002年前のものに戻すことになりますが、戻す量は多く、生徒には大きな負担を強いることになると思われます。特に小学3年生~小学5年生の変更内容は多く、3年生には、4年生から2ケタで割る割算、三角形と角、小数、分数が移行され、4年生には、5年生から、垂直・平行と四角形、小数のかけ算・わり算、直方体と立方体が、5年生には、6年生から、約数と倍数、分数のたし算・ひき算、単位あたりの大きさ・速さ、立体の体積、分数のかけ算・わり算が移行されます。このようにあげただけでも、かなりの学習量になることはご理解いただけると思います。

子供たちの学力低下が叫ばれる日本で、ゆとり教育を見直そうとして行われた改革は、元に戻すことでした。学習単元を増やすだけで、子供たちの真の学力アップにつながるとは到底思えないだけに、今回の変更は不服ですが致し方ありません。私たちにできるのは、この変更を前向きにとらえ、生徒の学力アップにつながるよう精一杯努力することだけです。

ちなみに、新しいカリキュラムに十分についてくることができれば、標準コースにいながらも、帰国枠であれば中学受験がしやすくなる、ということはできます。

2010年1月 「地球温暖化問題」

地球温暖化問題に関心のない人はいまやどこにもいないでしょう。ただ、真剣にこの問題に取り組んでいる人はどのくらいいるのでしょうか。JOBA もこれまで地球温暖化問題に積極的に取り組むような姿勢は示してきませんでした。それは何よりも私自身がお風呂の水を節約するぐらいことしかしておらず、車はハイブリッドではないどころか燃費の悪いものに乗り続け、生徒にも大きなことを言えるような筋合いではなかったからです。

ところが、今回、地球温暖化問題を取り上げようと考えたのは、もうこれ以上何もしないわけにはいかないのではないかという思いに至ったからです。そして、その取り組みは、大きなことからではなく、誰もが今できることを少しずつしていけばよく、少しの量でも大勢の人の分を合わせれば、地球温暖化問題に大きく貢献できるのではないかと考えたためです。

コペンハーゲンで開催中の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)では、先進国と発展途上国側との思惑にずれがあり会議が難航しています。これは、この問題を政治家だけに任せるのは限界があるという現れでもあります。今、私たちは世界中の普通の人たちと手を取り合い、この問題に取り組む必要があるのではないでしょうか。WMO(世界気象機関)は、11月に地球温暖化の原因となる温室効果ガスに関する年次報告書を公表し、二酸化炭素などの大気中の濃度は2008年も過去最高を更新したことを伝えていました。地球温暖化の原因について、人為的なものであることを疑う余地はもうないでしょう。仮に、温暖化の原因が太陽活動によるものだけであったとしても、排出ガスを削減することには大きな意味があるはずです。

今、JOBAのスタッフの中には、何かできないかと事務局が入るビルのすべてのトイレの電気が消えているかどうか確認してから帰るようにしている者がいます。些細なことかもしれませんが、このような取り組みの総和が大きな成果をもたらすと信じたいと思います。

2010年、私たちは地球温暖化の問題に積極的に取り組んでいきたいと思います。ご協力をお願いすることもあるかと思いますが、その際はどうぞよろしくお願いいたします。

クリスマス会ほか、保護者の皆様には今年も大変お世話になり誠にありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。

2009年12月 「不安を解消する唯一の方法」

中高受験がいよいよすぐそこまで迫り、受験生やその保護者の皆様にとっては不安が尽きない毎日をお過ごしのことと思います。

この不安、お気の毒ですが、少なくとも受験が終わるまでは追い払うことができないでしょう。ただ受験生は、集中して勉強することで、この不安をしばし忘れることはできます。不安に押しつぶされそうな受験生もいるかと思いますが、勇気を振り絞り、強い心をもって集中できるようがんばってほしいと思います。

受験で成功する秘訣のうち最も重要なことは、新しい学校に入学したいという意欲です。勉強がはかどらない生徒は、この意欲がどれほどのものなのか今一度点検してみるとよいでしょう。この意欲が確かなものであるならば、失敗を恐れずやるべきことを一歩一歩進めてほしいと思います。受験まで、長い生徒であれば2カ月以上あります。2か月あればどれほどのことができるか、1日に5題の問題を解くだけでも受験までに300題もの問題を解くことができます。最後まで諦めずにがんばれば大きな力となるはずです。

昨年の受験で成功を勝ち取った生徒の1人は、日本のJOBAで行われた直前講習会に参加した際、毎朝4時に起き自習をしていました。また、この生徒は、コンビニに買い物にいくときも参考書を手放さなかったそうです。この生徒は、第一志望校に是が非でも合格したいという気持ちが特に強かった子です。入学したいという意欲が高かったからこそ、がんばることができ、成功も手にすることができたのだと思います。

受験生の保護者の皆様には、人生の節目の1つに果敢に挑戦する子供を、悔いのないよう応援していただきたいと思います。人生の先輩として、受験の経験者としても、やれること、伝えるべきことはたくさんあるはずです。受験生の保護者が不安を軽減する唯一の方法は、意識して冷静になりながら、子供を精一杯応援することでしかなしえません。ぜひがんばってください。

私たち教師も、悔いのないよう一人一人の生徒を精一杯応援します。ご要望がありましたらどうぞご遠慮なく、どんどんお申し付けください。

2009年11月 「学校教育としつけ、日英の違い」

ゴミやタバコの吸い殻を路上に平気で捨てる人、皆さんもたくさん目にしていることと思います。つい先日のこと、月曜朝早くに事務局に来てみると、事務局のあるビルの入口のドアところに食べかす、袋、ジュースのビンなどが散乱していました。入口は歩道と段差があり、腰かけて物を食べるには都合よく、前日の日曜日に数名が集まり食べちらかしたものと思われます。

私はゴミをちらかす人がたまらなくいやで、運転中にタバコの吸い殻を車窓から捨てる人を見ると、すぐさまクラクションを鳴らし、その人を睨みつけます。(一度追いかけられたことがありますので、皆さんはご注意ください。)現在の日本の様子はよくわかりませんが、私の知っている日本では、ゴミを人前で平気で投げ捨てるような人はあまり見かけませんでした。だから余計にイギリスの心なき人々に腹が立つのかもしれません。

ところで、イギリスにはなぜゴミを平気で投げ捨てる人が多いのでしょうか。家庭教育もあるでしょうが、それ以上に学校教育の影響が大きいのではないかと思います。イギリスの学校でも、日本のように生徒に掃除をさせていたら、今のような状況にはなっていないように思えてなりません。

さて、翻って私たちの生徒はどうでしょうか。残念ながら、決して褒められたような状況ではありません。床に落ちたお菓子は拾わずそのままどこかに行ってしまう子がいますし、消しゴムのかすは平気で床に払い落してしまう子もいます。

このような生徒が悪いというより、しつけの必要性を今強く感じています。今、教えなかったらイギリスの心なき人々同様、一生できるようにはならないのではないかとさえ思えてきます。ゴミだけでなく挨拶もしかりです。そこで、11月は右欄にも書いた通り、挨拶強化月間とし、自ら挨拶ができるようになるための練習をすることにしました。

ゴミが拾え、挨拶ができる人は、自分だけでなく相手のことも考えることができる人です。つまり相手を受け入れることができる人、突き詰めれば素直な人です。素直な人は勉強も仕事もできるようになります。生徒には、まずはゴミ拾い、挨拶ができる人になってほしいと思います。

2009年10月 「この夏の発見」

この夏、ちょっとした発見をしました。夏休みに家族5人で、南ドイツに出かけたのですが、そのときの出来事を通した発見です。

南ドイツには、地球温暖化への影響に罪悪感を感じながらも、ロンドンから車で向かい10時間を超える運転の末到着しました。まずは温泉の出るバーデン・バーデンで疲れを癒し、(日本の温泉とは全く違いがっかりでしたが)その後は、ノイシュヴァンシュタイン城のあるドイツの山岳地帯に向かいフッセンに宿泊しました。

フッセンに到着したその夜、連日のドライブに疲れ切りぐったりと横になっていた私たち夫婦を尻目に、車の中に閉じ込められ続けた子供たちは、開放感のあまり部屋の中で大きな声ではしゃいでいました。子供たちを注意することなく、そのままの状態がしばらく続いたそのとき、隣の部屋の壁からトントンという音がしました。ハッとして子供たちを注意しましたが、隣の人はよほど腹を立てていたのか、今度はドアをたたきにきました。時間を見ると11時でしたので、英国の寛容さとの差に困惑しながらもドアを開け対応すると、若い女性で、この女性に厳しくこんこんと叱られました。以前ドイツに来たときにも若い女性に叱られた経験があったため、このドイツ旅行は、南ドイツの自然の美しさを満喫しながらも、国民気質や寛容さの度合の違いに思いを巡らされた旅になりました。

ロンドンに戻り数週間した後、小2の3男の友達が家に遊びに来たときのことです。私の部屋の隣の部屋で遊んでいた2人は、ゲームに興じている様子でしたが、私の息子が、大声を出して騒いでいる友だちに向かい静かにするよう注意をしている声が聞こえました。後で息子に聞いてみると、隣の家に迷惑がかからないように注意したと言い、これには驚かされました。今までは、本人自体が注意されるまで自分から隣を気遣うなんていうことは一度もなかったからです。

親が平謝りする姿をみて反省したのか、直接ではないにしろ他人に叱られたことが、これほどの影響を及ぼすとは思いもよりませんでした。

私は叱られるのはもうイヤですが、妻はまたドイツに行こう(子供たちを連れて)と言っています。

2009年07月 「7月の特別授業を終えて」

7月の特別授業では、毎年戦争に関するテーマを取り上げてきました。来月の終戦記念日に焦点を当て、二度と戦争を起こさないためにはどうしたらいいかを生徒とともに考えるためです。

今年のテーマは、「原爆投下と長崎」とし被爆者が高齢に達し亡くなりつつある中、後世に原爆の悲惨さを伝えるためにはどうしたらよいかを考えてもらいました。その中で、本という形で後世を生きる人々へ語り継いでいこうと考えた被爆者の方々がいること、原爆の悲惨さを伝えるために残した小説、劇、詩、短歌などを「原爆文学」と呼んでいることを伝えました。また、長崎を代表する原爆文学の作家・林京子さんの第73回芥川賞受賞作品『祭りの場』の一部を生徒ともに読みました。

特別授業の生徒の感想を一部紹介します。 「林京子さんの『祭りの場』を読み、とても感動しました。また、未だに原爆症でなくなる人がいることを知り驚きました。あの時だけだと思っていた苦しみが、64年たった現在も続いていると思うと心が痛みます。」

「長崎の特別授業を通して、戦争に対する怒りと反発を感じた。この忘れられない出来事を次世代に語り継ぐためには、文学や芸術などによって伝えていくしかないと思う。しかし、年を重ねるにつれて忘れ去られていくのはどうしても防ぎきれないと思う。その前に、早く核兵器をなくすことに努めなければならない。」

戦後60年を迎えた2005年、NHKは日本とアメリカで大規模な原爆に関する意識調査を行い、その結果を踏まえアメリカでのインタビューなどを織り交ぜた報道番組を放映しました。その中で、原爆投下は正しい判断だったかとの問いに対して、57%のアメリカ人が Yesと答えていました。この結果の背景には、アメリカの教科書で原爆に割くページ数はわずかで、しかもその内容は原爆投下に至った経緯に留まりその後の惨状はほとんど伝えていないことにあるとNHKは指摘していました。つまり当時のアメリカでは今も原爆症に苦しむ人々がいること、被爆2世、3世がいることなど知るよしもなかったと考えることもできます。

この調査から4年たった現在、状況が好転していることを願います。そして核兵器廃絶に向けて唯一の被爆国を‘背負う’私たち日本人の役割は大きいと、あらためて思います。

2009年07月 「この夏に探究心を育てよう」

先日行われた個人保護者会を通して、子供を外に連れ出し見聞かせしてもあまり興味関心を示さないとのお声を、少なからずお聞きしました。多くは中学生の保護者からでしたから年頃といえばそれまでのことですが、何かいい方法はないものかと思案しました。

そこで思い及んだのは、毎年夏休みの共通課題としてきた作文課題「夏休みの出来事」を使い、生徒を駆り立てることはできないかということです。夏休みであれば、どの家庭もどこかに出かけることでしょう。つまりは、この作文課題提出を1つの目的にし、折角の‘お出かけ`を充実したものにしてもらおうと考えました。

新たな作文課題は、今までのものに副題をつけ「夏休みの出来事、私の発見」です。この夏の‘お出かけ’は、お父さん、お母さんの言われるままについていくだけでなく、能動的に‘お出かけ’を利用してほしいと思います。そして、思わぬ発見に出会うよう注意深くあたりを見渡し、興味をもったことは誰かに聞き、また自分でも調べてほしいと思います。

充実した発見につなげるためには、下調べが重要です。ご家庭では、ガイドブックなどを通して、事前に面白そうなことをチェックさせるなどご協力いただければと思います。

地球規模での問題が多発している昨今、私たちには、未知の状況、正解のない状況から何とか解決策を見出す力が求められています。この力を身につけるためには、新たな知識や技能を吸収する意欲が必要でしょう。この意欲を保ち続けるには学び続けることを厭わないこと、どんなことからでも学べると信じて、学ぶことを楽しめる生き方を収得することが大切だと思います。生徒には、「夏休みの出来事、私の発見」を通して、新たな学び方の発見もしてくれたらと願います。

子供たちの興味関心をより深いものにするために、一つ大切なことがあります。それは子供の興味に合わせ、親も関心を示し、親自身も 探求することです。

充実した夏休みになることを祈っています。

2009年06月 「本物の学力を身につけてもらうために」

生徒に本物の学力を身につけてもらうために私たちは生徒にどんな課題を与えるべきか、またどんな指導方法を取ればいいのか。文科省の指導カリキュラムに沿って単元学習を進め1つ1つ理解させることは、思考力の土台を築く上でとても大切なことですが、試行錯誤しながら注意深く考える力や覚えたことを活用し応用する力まで身につけてほしいと考えるとなかなか思うようにいきません。

数年前に考えあぐねていた最中、同僚から日本のテレビ番組で放送された「宮本算数教室」のことを聞きました。その話に興味を持ち、その後宮本算数教室の教材を取り寄せてみました。私が担当する教室では、この教材をコピーして頭のウォーミングアップと称して授業の初めに生徒に取り組んでもらいました。すると、どの生徒もこの教材に向かうと集中して、しかも楽しそうに行い、さらにはもっとこのプリントはないのかとせがむようになりました。このプリントはSUDOKUのように空欄に数をうめていくだけの単純なものですが、たし算・ひき算バージョンやかけ算バージョン、四則計算バージョンもあり、計算力を高めるためにも役立ちます。ただ計算力を養うための教材というよりは、計算力を使い試行錯誤しながら(消しゴムをふんだんに使いながら)解き進める必要があるため集中力、粘り強さ、慎重さ、徐々に論理的に考える力も身につくと考えられます。

この教材は、すでに数カ国で翻訳、出版されるほどの人気ぶりです。私も数年間使用してみて、生徒に試行錯誤しながら注意深く考える力を身につけてもらうためにとてもいい教材だと感じています。そしてあらためて子供たちは深く思考することを欲しているのだなと思わされています。この教材は、宮本算数教室では小学3年生に使っているとのことですが、中学1年生ぐらいまでにも役立つと思われます。今回の月例通信には、宮本算数教室の教材ほかパズル教材の申込用紙を同封しています。この機会をぜひご活用ください。

2009年05月 「点数も取れる子に」

小4~中3生を対象に毎月実施している「センター試験」、結果が気になるのは生徒や保護者の皆様だけではありません。私たち教師にとっては自分の指導を顧みる大切な機会、指導がうまくいっていることを実感できることもあれば、反省させられることも少なくありません。

子供たちの能力は、テストの結果で単純に計れるようなものではありません。点数に出なくても基礎は十分に理解していると思われる場合もあるからです。ですからテストの点数だけをみて、子供たちの能力や学習達成度を推し量るのは禁物です。つまりテストの点数だけをみてしかりつけるようなことはあってはなりません。

点数にだけこだわる生徒は育てたくありませんが、それでもやはり点数を取れる子供たちにしたいと私たち教師は常々考えてます。

ところで点数を取れる子にするには、どうしたらよいのでしょうか。宿題は欠かさず丁寧にするよう仕向ける、小テストやセンター試験での間違い直しを欠かさずするよう仕向ける、よく理解できていないところは曖昧にせずすぐ教師に聞くよう仕向ける、親がこのことに気付いた場合には教師に相談する、など大切なことはたくさんあります。ただ最も大事なことは、大人が点数を取ることは大切だと自信をもって伝えることです。

理解不足で得点できない場合はありますが、実はそれ以前に点数を取ることにあまり意味を感じていない生徒や、ほどほどの得点で満足してしまう生徒は少なくありません。このような場合、受験生はともかく、それ以外の学年の子供たちに受験の際に困らないように、などという言い方をしても子供たちのモチベーションは上がりません。点数を取れば褒美(物)をあげるというのも、その場限りになり同様です。即効力はありませんが、「十分な点を取れるというのは、十分に理解していることの証し、これは次のステップ(学習項目など)を理解する上で必要なこと。理解できないことほど苦しくつまらないことはない。だから十分な点を取ろうとすることは大切だ。」と言い続けることだと思います。

小学部標準コースでの目標は各80点、小学部受験、中学部コースでの目標は各60点です。この点数があれば次のステップでの理解につながるはずです。

2009年04月

2月から3月にかけて、受験を終えた生徒たちがロンドンに戻り、多数受験の報告などに教室を訪れてくれました。一通り受験の話を終え、今後のことに話が及ぶと、生徒の多くからは意外な反応が返ってきました。この時期ぐらいは大いに羽根を伸ばしたいと考えているのかと思えば、多くは入学後のことや将来に思いを馳せ、勉強をしなければと考えていました。日本では、受験勉強ですべてを消耗しきってしまい、受験が終わると学習意欲を失う子も少なくないと聞きますので、ロンドンのJOBA生のこの心意気は誇らしい限りです。

ロンドンのJOBA生が消耗しきることなく、次へのステップをすぐに踏み出すことができる理由をあえて考えてみると、面接対策と称して行う「面接必勝プログラム」が功を奏しているのかもしれません。「面接必勝プログラム」は、生徒が、入試の面接で自分自身を的確に表現できることを目標としていますが、将来希望する仕事や夢があること自体がアピールになると考え、生徒にそれらを考えてもらうことを重要視しています。ワークシートへの記入から始まり担当教師とのやりとり、個別の面接練習などを、教科学習の他に行いますので、生徒の負担も大きいですが、その甲斐あって受験までには、どの子も将来希望する仕事や夢を見つけます。今回受験から戻ってきた生徒の一人は、将来希望する仕事や夢が見つかったからこそ、最後までがんばり抜けたと言っていました。そして、この夢や希望が、それぞれを次の世界へと駆り立てる原動力となっているのでしょう。

一年前まで勉強に限らずあらゆることに意欲が感じられなかった生徒が、別人かと思わせられるほどに変わりました。この子が見違えるほどに変わることができたのも、この子に夢があったからです。受験をきっかけに自分の夢をあらためて考えることになり、目覚めたのです。今では、自分から将来について相談をし、自分の意思をはっきりと伝えることができるようになりました。

受験は、受験だけにあらず。受験をただ単にハードルを越えるためだけにあると考えさせたのでは、自分自身について探究する絶好の機会をみすみす取り逃がすようなものです。生徒には、受験は自分自身を大きく成長させる機会だと捉えさせ、より前向きにがんばらせたいものです。

2009年03月

今年の受験生からは続々と受験結果が届いています。第一志望校に合格し喜びに溢れて報告してきた子、予想外の結果に打ちひしがれ続けた後、合格を手にした子、今年の受験も悲喜こもごもですが、受験校すべてに不合格となった生徒はおりませんでした。一生懸命努力したことを、神様はしっかりとみてくれたのだなと、このときばかりは神様に感謝したい気持ちでいっぱいになります。

来年度の受験生を抱えるご家庭では、何かとご不安を感じていらしゃる頃かと察します。今回は家庭ではどのようなことに気をつけて、受験生をサポートしていけばよいのか、いくつか注意点をあげたいと思います。

受験で成功するためには、テストで点を取ることが必要条件になり、親もこのことに固執しがちですが、このこと以上に大切なことがあります。それは、受験校の選択や勉強方法について、自分で考え、自分で決めるようサポートをすることです。実は、これらを自分で決めようという気にさせることができれば、この段階ですでに、受験結果にも大きな期待がもてるといえます。一方、今まで自分で何かを決めることが少なかった子供は、いざ受験と言われても、それが自分自身のためにするものであることをなかなか受け入れることができません。そのため親が学校について調べたり、参考書や問題集を買い揃えても、子供の気持ちと親の心配がかみ合わず互いにストレスを溜めるだけになってしまいます。これではテストの点も伸びるはずがありません。今年の受験生をみても、伸びた生徒は、自分で決めることができるようになった生徒でした。

親が勉強を見るのはなかなか難しいものです。ただ家庭にしかできないことはあります。それは普段の生活そのもので、親子の対話であり、お手伝いであり、家族旅行です。これら1つ1つが子供の成長を促していることは言うまでもありません。そして、面接試験や作文には、その様子がそのまま現れます。帰国枠入試では、面接試験や作文を重要視する学校が多いですので、今年は受験を盾にして、家庭生活の改善を試みまた促してはいかがでしょうか。

2009年02月

バラク・オバマ氏の大統領就任を心弾むような思いで待っています。経済の好転や世界の平和に対する期待もありますが、強いていえば、あの張りのある声を聞きたいからかもしれません。あの声で繰り返す「Yes, we can.」を聞いていると、こちらも俄然やる気が増してきます。我々もオバマ氏に負けないぐらい、生徒を、そして保護者の皆様方を勇気づけ応援していきたいと思います。

私たちJOBAは、今年何をすべきか、何ができるのか、一番の課題にしたのは、「指導力の向上」です。その中でも最も大事にしたいのは、楽しい雰囲気の中、学ぶことが楽しくなるような指導をすることです。そして学ぶことがどれだけ大事であるかを自信をもって生徒に伝えることができるような授業をすることです。そのための研修を強化していきます。月例通信にコラムを掲載している松浦先生の協力のもと、教師学講座を設け生徒とのコミュケーション方法も学んでいきます。

生徒に夢や希望を与えることも私たち教師の大切な役目の一つです。小学4年生から高校生までを対象とした特別授業では、時事問題や最新の科学をテーマに取り上げ、その背景の説明をし意見や考えを聞くことで社会への関心を促してきました。今年もこのプログラムの充実を図りたいと考えています。そして、このプログラムが生徒の夢や希望を育てる一端になればと願っています。

保護者の皆様が自信を持って子育てができるよう応援することも、私たちの大事な役目だと考えています。昨年からスタートとした「現地校相談室」では、現地校に関連する心配ごとから学校選びまでメールであれば、一般の方でも無料でご相談にのれる体制にしました。前述の松浦先生の教育講演会「親子のコミュケーションのコツ」も定期に設けていきます。早速2月14日(土)には、Acton土曜教室(13:00~14:30)とWimbledon教室(16:30~18:00)の2カ所で、この会を催す予定です。

至らない点は多いとは思いますが、スタッフ一同精一杯、皆様のお役に立てるよう努力する所存です。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

2009年01月

2009年は自分の息子の受験の他に金融危機の煽りも受け、いずれも早く過ぎ去ってほしいとの思いからか、ことのほか時が過ぎるのが早く感じられた一年でした。

息子の受験について言えば、この場では教育的なことをいろいろ書いたりまたは人前ではいろいろ言いながらも、自分では息子を見てあげることはほとんどなく、アクトン教室の先生方に任せたきりでした。それでも少しでも息子の役に立ちたいとの思いは持ち続け、毎日短い時間ですが、できる限りのことは続けました。息子の受験を通し、自分の腑甲斐無さを思い知らされ、息子の受験のおかげで親としての自覚が芽生えたともいえます。

宿題の多い現地校に通っていた息子の現地校の勉強と受験勉強の両立は端から見ていても気の毒なほどでした。長年にわたり受験生の指導にあたり数多くの生徒を見てきた私は、現地校生のことも熟知しているつもりでいましたが、あらためて現地校生の受験勉強との両立の大変さに気付かされたことは、よい経験であったと同時に今までの自分を恥じ入るような気持ちになりました。

2008年の前半は、ストレスと寝不足と運動不足によるためか、体調不良に悩まされました。この反省から後期は毎朝ジョギングをするようにし体力を回復することができました。私と同世代のお父様方は、現在それぞれの職場で重要な役を担っているものと思われます。そしてそれぞれの職場で無理を強いられることは避けて通れないことだと思われます。この上にお子様の受験に関わることは、私の経験から言ってもとても大変なことです。それでも母親だけでなく父親も子どもの受験に関わることは、子どもの成長にとって大切なことだと思われます。私は、大したことはできませんでしたが、子どもと真剣に向き合うためには、親の体力も重要であることを思い知らされました。来年度にお子様の受験を控える保護者の皆様におかれましては、健康と体力の増強にも励まれることをお勧めいたします。

2009年は金融危機が収束に向かい、皆様が落ち着いて英国での生活が送れるようになることを祈っております。

2008年12月

受験生を抱える保護者の方々の努力と情熱にはいつもながら頭の下がる思いでいます。毎朝5時に起き子供の勉強をみている方、毎日子供のために漢字の練習とテストをしている方、ノートの使い方が煩雑だった子をあきらめることなく改めることができた方、綿密な家庭学習の計画を立て丁寧に指導している方、など生徒から聞き及ぶ保護者の方々の姿からは、学ぶことが多く私たちの指導のよき模範にもなっています。

理想の国語教科書など多数の教育関係の本を書いている斎藤孝は、その著作「天才の読み方」の中で、「天才はそれを続けていく時の苦しさの中で、支えになる存在を何か必ずもっている。」と書いています。そしてその存在は感覚を共有できる人であればより大きな力を生むとも伝えています。大リーグのイチロー選手の支えになったのは父親で、小3から中3まで7年間、イチローと父親は1日も欠かすことなくバッテイングセンターに通い、また家では父親のトスを受けティーバッティングをし、イチローの筋肉をほぐすため父親は毎日朝夕足裏のマッサージをしたそうです。この中でイチローと父親は決して揺るぐことのない関係を築き、その安心感があの偉大な選手を作る土台になったのではないかと斎藤孝は考察しています。前述した保護者の方々は子供とまさにこのような関係づくりをしてきているのではないかと思いました。

保護者や私たちのがんばりに比例するかのように、この時期になり受験生の中にはどうしたらもっと点が取れるようになるのか、法則のようなものをつかみかけている子が増えてきました。この法則を自分自身でつかんだ子、つまりは自分自身の伸ばし方を心得た子は、急激に伸びていきます。受験までもうすぐですが、子どもたちはまだまだ伸びます。保護者の方も最後の最後まで精一杯応援してあげてほしいと思います。

ちなみに斎藤孝は、一流になれるかどうかは量的な努力ができたかどうかだと伝えています。量をこなさない限り、上記の法則のようなものは見つからないでしょう。量をこなせるようになるためには、自分自身の上限を取り払い高い意識を持つことができるかどうかにかかっています。がんばれ受験生!

2008年11月

受験生は今、入試教科の学習にとどまらず、願書に必要な志望理由、活動歴の記入または願書に同封する作文作成、面接試験や作文試験に対する準備など忙しい毎日を送っています。この時期、受験生は教科学習に少しでも多くの時間をかけたいところですが、そうとばかりも言っていられないのが現状です。

一方、受験生の保護者も、成績証明書や推薦書を学校に依頼したり、子供が現地校に通っていれば、3年分の成績をコピーし、子供がコメントを日本語に訳すのを手伝ったり、海外在留証明書を人事部に依頼したりなど願書の準備、入学手続きに向けた準備、入学後のことを考えた準備に余念がないことでしょう。また、受験料の納入,、願書提出、合格した際の手続きのため何度も足を運ばなければいけない学校があることに頭を悩ませたり、日本の口座への送金はレートのよかった昨年にしておけばよかったと後悔したり、まだまだ不安も多いことと察します。

来年以降の受験を考えるご家庭では、受験までにどのような準備が必要なのか、詳細を早めに知り、できる準備は少しずつしておくとよいでしょう。そのためには、受験をする可能性のある学校について、願書を今取り寄せることをお勧めします。願書の販売期間は限られており、この時期を逃すと来年の今頃まで手に入らなくなってしまうからです。

11月5日(水)の日大系列校のロンドンでの入学試験を皮切りに、来年度入学に向けた中学・高校受験がいよいよ始まります。受験を間近かに控え不安な毎日を送っている受験生も多いでしょうが、受験生が伸びるのは、まさにこれからです。不安を追い払い、一心不乱に勉強に取り組んでいってほしいものです。

受験生に対し、親は最後に何ができるのか、手続き面に不備がないようにすることと健康管理は最も大事なことですが、将来についての話をしたり、自己管理方法についてアドバイスしたり、今だからこそできることもたくさんあります。保護者の皆様方も、健康には十分に気をつけられ、ぜひがんばってください。

2008年10月

新学期が始まり受験生の顔つきが少しずつ変わってきました。マンスリーテストの結果を受け止める態度にも変化が見られます。以前であれば得点の良し悪しのみで終わっていたところが、この9月は違います。今回のマンスリーテストの結果を受け、今までずっと変えることのできなかった学習方法を変えるべきだと思い至った子、がんばったつもりの夏休みの学習量は、実は十分なものではなかったとハッと気付き9月から猛勉強をはじめた子、マンスリーテストに夏休みの成果が大きく現れたが、それに満足することなく次の目標を掲げさらにがんばりはじめた子、など誰に言われることなく差し迫る壁を自分の力で乗り越えようという意欲が見えてきました。

受験生にとっての9月は、精神的に大きく成長するかどうかの分岐点です。今、受験生の心の中には、不安を抱えながらも、受験を自分のこととして捉え、いよいよ立ち向かうのだという気持ちが芽生え始めているところです。この気持ちをさらにうまく伸ばしてあげたいものです。

7月から月例通信に親行ワンポイントアドバイスを寄せてくださっている松浦留美子さんのお父様(久野信先生)は長い教員生活の実践から感じられてきたことをたくさんの本に残された方で、その名著「子供の自立をめざして」の中で次のように述べられています。「子供の前に壁が出現し、子供が悩み苦しんでいるとき、親が子に変わってこの壁を何とかしようとして、いろいろ言ったり、したり干渉することは、子供の宝を取り上げることです。子供は自分のことは自分で解決したいと思っている。親に解決してもらいたいとは思っていない。それならば、この大切なチャンスに親のすべきことは、『つらい』、『苦しい』のサインが出たときに心から共感をもって『聞いてやる』ことでしょう。それだけでいいのです。」

子供の前では、久野先生がおっしゃるような態度を貫きたいものです。それでも子供の受験を間近に控え、不安はつきないことでしょう。ご心配な点は、どうぞご遠慮なく私どもにご相談ください。不安な点は早め早めに解決していくことが大切です。

 
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