校長だより

国語力をつけよう

2012年3月21日

日本での教育を受けたことがなく、2年前には小学校高学年相当の国語力もなかった生徒が、この度見事に難関国立高校に合格しました。

お子様の国語力が伸びずに悩まれているご家庭は少ないないでしょう。ある一定以上の国語力がないと入試はもちろんのこと、将来にわたって困難を強いられる可能性も否定できないはずです。そこで今回は、上記の生徒とこの生徒を2年間にわたり指導した国語の教師とのやりとりを考察することで、国語力をつけるためにはどんなことが必要なのかを考えたいと思います。

まずこの教師が取り組んだのは、小学校の低学年の漢字から始め、音読み、訓読みのいずれの読み方もできるようにすること、またその意味を理解すること、そして覚えた言葉のいくつかを、その日のうちに家庭ですぐに使ってもらうことでした。また、わからなかった言葉をカードに書き、トイレなどに貼って覚えるよう勧めました。

次に大事にしてもらったのが、音読です。毎回の宿題範囲の文章について、声に出して読むこと、またその内容を親に聞いてもらうよう伝えました。本人は、このことを忠実に守り、途中から親のサポートは必要なくなったものの、入試直前まで続けたそうです。

ある程度の国語力がついてからは、新聞を読むよう勧めました。とはいえ、難解な記事を読めるはずもないので、読むべきコーナーを具体的に指示しました。さらにこのころには、本人の意思で社会と理科の授業を受けることも決めました。最終的には、入試で理・社を使うことはありませんでしたが、このことにより語彙が大幅に増え、視野も広がっていったようです。

その他、短い期間で国語力が伸びたのは、荒治療ではありますが、読むべき文章のレベルは振り仮名をふらせながらも下げなかったこともあると、担当教師は考えています。

さて、国語力を伸ばすには、本人にあったレベルから始め、上記のような地道な努力を継続できるかどうかにかかっています。しかし、それは容易なことではなく、途中で諦めてしまうのが普通でしょう。

ところが、この生徒は、努力の継続ができました。それは、本人の意思による明確な目標をもったこと、強いこだわりを持ったことが大きいと、担当教師は考えています。そして、勉強の目的をはっきりさせることが最も大事であると早いうちに考え、本人をその気にさせ、担当教師以上に根気よくサポートしたのは、まさしくご両親でした。

国語力は、根気よく続けることができれば、確実に伸びていきます。ご家庭では、その動機をどう育てるかを考えていただければと思います。

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