校長だより

夜明け前

2014年12月24日

今から8年前の2006年12月のことですが、JOBAロンドン校が主催し教育シンポジウムを行いました。当日のテーマは「グローバル化に対応できる人材作りと日本型国際学校の役割」で、当時から日本の学校への国際バカロレア導入に向けて先導的な役割を担われてきた大迫弘和先生(現リンデンホールスクール校長)や人材派遣会社の方などをお招きしました。このシンポジウムを開催したのは、当時日本企業で益々のグローバル化が叫ばれていたこともありますが、翌2007年に学芸大学附属国際中等教育学校が開講することになっていたことが主な理由です。

このシンポジウムに先駆け生徒のお父様方にアンケートに答えていただきました。その際にお尋ねしたのは、①仕事上英国人社員の方が優れていると思われる点、②日本人社員の方が優れていると思われる点、③それらの違いが生じた理由として考えられる教育内容やものの考え方、などでした。

このアンケートには、たくさんの回答をお寄せいただきました。たとえば、①では、はっきりと論理的に自分の意見を言うこと。プレゼンテーションがうまいこと。②では、細かい点や全体を考えた気配りができること。責任感が強いこと。③について英国では、幼いころから自分の考えを説明することが求められること。褒める文化があり、創造性を大事にする教育をしていること。日本では、協調性を大事にする教育をしていること。細部にわたり正確さが要求される教育をしてきたこと、などです。

上記アンケートからは日本の長所を改めて認識できた一方で、多くの課題があることに気付かされました。

あれから8年が経ち、日本の会社や学校はどれほど改善したのでしょうか。学校に限って言えば、私立を中心に、グローバル化に対応しようと留学プログラムを取り入れ、プレゼンの機会を増やすなど様々な挑戦をしてきた学校は少なくありません。ただそれでも、どれくらい論理的に自分の意見を言える人が増えたか、または、どのくらい創造性を育む教育ができたかと問えば、道半ばと答えざるを得ないのではないかと思われます。この大きな原因は、AO型試験が普及したとはいえ、大学の一般入試が従来型のままで変わらなかったためでしょう。大学入試が変わらなければ高校・中学入試も変えるわけにはいかず、その試験に合わせた指導をせざるを得ません。創造性を育むために探求型の授業を試みても、試験前には知識詰め込み型に戻していては、深い思考力が育たないのも致し方ありません。

ところが、この状況がいよいよ変わろうとしています。その1つは国際バカロレアのディプロマコースが日本語で学べるようになることです。国際バカロレアコースを設ける高校が増え、日本の大学にも国際バカロレアの結果のみを審査して入学を認めるところが増えようとしています。もう一つは多面的な思考力を重視する大学入試が2020年には始まり、2016年にはその準備段階に入ることがほぼ決まったことです。この2つの改革が順調に進めば、生徒も教師もより本質を追及した学びができるようになるはずです。延いては、日本社会が抱える問題を解決していけるような人材がより多く育つかもしれません。

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