現地校相談室

ナショナル・カリキュラムの変更

2015年3月4日

イギリスの学校にも日本と同様に、指導要領があるのでしょうか。

イギリスでは地域、あるいは学校による教育内容の不公平をただすために、1987年に「ナショナル・カリキュラム」が導入されました。それが、日本の指導要領に当たり、各学年のどの科目で何を教えるのかという指針となっています。そのカリキュラムに、最近かなりの変更が加えられました。すでに2014年の9月から変更されているものもありますが、今年の9月からは新しいカリキュラムが全面的に採用されます。今回の変更点は、国際的な生徒の学力比較において下降傾向にある、イギリスの生徒の学力水準を上げることを目指しています。

小学校では特に水準を上げる方向にあり、科目別の具体的変更点は、以下のようになります。

英語:
① 語彙力、文法、句読点(コンマとアポストロフィーはキーステージ1で習得)、スペリングに力を入れる。
② 現在は評価されていないハンドライティングも流暢に読みやすく書けるようにする。
③ スピーキングでは特にディベートやプレゼンテーション力をつける。
算数:
① 5歳児で100まで数えられるようにし、20までの数の分解を習得する(現在は20まで数えられて、数の分解は10まで)。
② キーステージ1で1/4と1/2を習得。また、小学校の間に小数と分数の変換を習得。
③ 9歳のうちに12×12までの掛け算を習得(現在は10×10まで)。
④ 計算機はキーステージ2の終了まで使用せず、暗算を奨励する。
理科:
① 科学的知識、科学用語を重視する。
② 小学校課程で初めて進化を教える。
③ 動物の世話などの一般的な内容は人体の循環系などのトピックに変える。
外国語:
現在はキーステージ2で選択となっている現代語か古典語(ギリシア語やラテン語)が必須となる。

セカンダリー・スクールでの注意点は、GCSEコースでは今年の9月から新カリキュラムとなる点です。それまでは旧カリキュラムで試験が行われます。

このような変更点を保護者の方々も理解して、早く学年相当の学力がつくように、ご家庭でも支援する体制を整えておきましょう。

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