帰国枠入試相談室

第67回 2016年度首都圏帰国枠中学入試の状況

2016年5月2日

JOBA本部が行った学校への入試アンケートをもとに、2016年度の首都圏の主な帰国枠中学入試実施校の受験者数と合格者数を表にまとめました。以下には、過年度と比較した本年度入試の特徴および受験に向けた注意点をお伝えします。

<受験験者験者数横ばい〉
表に示した学校の総受験者数を比べると2016年度は2015年度より206人増加しています。ただし、新規帰国枠導入校の大妻多摩、東洋英和、公文国際、また名称を変更した青山学院横浜英和の受験者数合計の108人を加えていますので、今年度の受験者実数は昨年とほぼ同数か微増だったと考えてよいでしょう。なお、今年度の平均倍率(のべ受験者数÷のべ合格者数)は1.84倍で、昨年度の1.80倍からわずかに上がりました。ちなみに、過去5年間の総受験者数は年々増えており今年度が最大ですが、平均倍率はほぼ横ばいです。入試日数を増やしたり、帰国枠入試を新たに設ける学校が毎年あり、受験生に比べ帰国生の受け入れ枠が大きくなっているためです。

<今年度の注目校〉
帰国枠入試を導入した公文国際は、合格者数を絞り込み、合格倍率は3倍となりました。以前の入試では、1科目のみで受験ができたため、帰国枠はなくとも英語で受験をした帰国生はいたのですが、昨年の英語受験者の倍率が1.9倍でしたから、帰国生にとっての難易度は上がったと考えてよいでしょう。
公文国際の帰国枠入試では、英語に加え適性検査を課し、英語力以外の思考力も計りました。校内で模擬国連(会議)を行うなどして国際理解教育に力を入れてきた公文国際は、今後のグローバル化社会には英語力+αの力が必要だと考えているのかもしれません。一方で、一般入試では、国語と英語の2科目で受験をすることもできるのですが、今年のその合格倍率は1.12倍でした。英語に加え国語の学習もしっかりとした生徒にとっては、こちらの入試の方が有利だったと言えます。

<人気校の倍率〉
一般入試に比べて倍率が低い帰国枠入試でも、人気校の中には3倍を超えている学校もあります。東京学芸大学附属国際中等(4.56倍)、渋谷教育学園渋谷(国算英型4.4倍、国算作型3.86倍)、聖光学院(3.59倍)、海城B入試(3倍)、公文国際(3倍)などです。なお、渋谷教育学園渋谷は、女子の合格者の方が多く、男子だけの倍率で見ると、国算英型は6倍を超えていました。

<併願校の決め方〉
来年度の受験生の保護者の方々にとって、今は情報収集に余念がない頃かと思います。この時期には第一志望校の他に、併願校を決めてほしいところです。併願校を決める際に大切なことは、倍率の低い学校を併願校の1つにすることです。また、それらの学校の中から、第一志望校よりも早い日程の学校を少なくとも一校は探すことが大切です。第一志望校の前に合格を勝ち取れば、子供は自信を持ち、次の意欲に繋げやすいからです。倍率が低いから学校全体の評価も低いというわけではありません。表に上げた帰国子女受け入れ校には魅力の多い学校が少なくありません。学校案内書を手に入れ、また実際に学校を訪問するなどして、数字には表れない学校の取り組み全体を知り、お子様に合った学校を探してほしいと思います。

<帰国枠中学入試結果>

(表をクリックしていただくと、大きな表が表示されます。)

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