校長だより

書類・面接重視校の目論見

2016年6月8日

帰国枠入試実施校の中には、英語・数学(算数)・国語などの学科以外に書類や面接も重視する学校が以前から多くあります。書類や面接を重視するのは、優秀でありながら現地校などの学習に忙しく日本の学習までは手が回らない生徒がいることを帰国子女受け入れ校は知っているからで、日本の学科以外の実力も評価しようとしているからです。

これらの学校の中には、ICU高校のように入学試験に書類と面接しか課さない学校がありますが、その準備は意外と大変です。他の多くの学校は学科試験も課しており、併願校のことも考えると学科試験の準備に加えて書類の準備を行わなければならないからです。しかも大変なのは、生徒だけではありません。早稲田本庄高校I選抜のように、親の教育方針を記入させる学校もあるからです。ICU高校や早稲田本庄高校I選抜では、現地校の成績に付されたコメントの日本語訳が必要ですが、これは親の助けがなくてはなかなかできないということも、親が大変な理由の一つです。

さて、これらの準備が大変なことは広く知れ渡っており、生徒・保護者の中には、はじめからこのような書類・面接重視校を外して受験校を選択するケースも見受けられます。その選択理由が、ただ面倒だからという理由だけだとしたら、それはとても残念なことです。今回のコラムでは、私が残念だと思う理由を示しつつ、書類・面接重視校の本当の目論見を探りたいと思います。

私が残念だと思うのは、書類・面接重視校の中には人気校が多いだけでなく、入学後の生徒の評価が高い学校が多いためです。前述の二校はまさに、人気があり生徒の評価も高い学校です。人気校である理由の一つは入試が楽であるように思えることですが、入学後の生徒の評価が高い理由は、学校の努力もさることながら、良い生徒が集まっているからだといえるでしょう。

中学入試実施校の話になりますが、攻玉社や逗子開成では、願書提出時に事前作文を提出する必要があり、その題は毎年決まっています。海城中学では、面接のときに二分間スピーチがありますが、その題も決まっていて事前に準備ができます。事前に決まっているため、親の手が加えられたものになるのですが、学校側はそれを知りつつも、この事前作文や二分間スピーチを取りやめようとはしません。洗足学園では、二つあるうちの一方の入試は、英語と面接のみの試験で、面接の評価は全体の半分を占めるにも関わらず、その面接に向けた練習を学校自体が事前にしてくれます。これらの学校は、いずれも人気校で、入学後の生徒の評価も高い学校ですが、なぜ親が手伝うことがわかっている作文を課題にしたり、事前の面接練習までしたりしているのでしょうか。

それは、親が手伝うかどうかに関係なく、それぞれの課題を事前にしっかりと考え自分のこととして落とし込めた生徒は、入学後に伸びることを学校側は知っているからです。つまり、書類の準備や面接の準備に時間をかけた生徒は、良い生徒になりうるということです。ちなみに良い生徒とは、チャレンジする生徒です。常に努力する生徒です。海外生活を有意義に送った生徒です。将来に夢や希望がある生徒です。これらは、活動報告書を通して、成績表を通して、事前作文を通して、志望理由書を通して知ることができるのです。書類・面接の重要性を認知した学校は、もう二度とそれらを手放すことはないでしょう。一方で、生徒・保護者の負担軽減を考え簡単な書類だけで受け入れてきた学校の中には、皮肉にも年々人気が落ちている学校もあります。

書類・面接重視校を、準備が面倒だという理由で外すのはとても残念なことです。それは、子供の成長をみすみす逃すようなことだからです。また、書類・面接重視校には、とても良い生徒が集まり、そのため先生方もいきいきとしているからです。

書類・面接の準備は大変です。受験間際になってからできるようなものではありません。受験生・保護者の方には、本格的に忙しくなる前の時期、つまりこの六月までには準備をはじめてほしいと思います。なお、この準備には親子の対話がもっとも大事であることを最後に付け加えさせていただきます。

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