現地校相談室

イーリング地区の公立セカンダリースクール

2009年3月1日

イーリング地区の公立セカンダリー・スクール希望校リストの締切が10月24日に迫りました。いい学校はどこでしょうか。申し込めば必ず入れますか。

まずオープン・デーに参加し、校長を始め、ヘッドボーイやヘッドガール、Y7の生徒のスピーチを聞き、校内を見学して校風を実感することをお薦めします。ただ、区が最優先する割り当て校決定要素は、学校と自宅の距離です。基本的には家から最も近い学校に通うという大原則があり、その上で、兄弟姉妹の通学などが配慮されます。

更に宗教系の学校、Twyfordではキリスト教信者とその他の宗教の信者とで申し込み用紙が異なり、本人や兄弟、親が日頃から教会に通っている、ボランティア活動をしている、といったこともポイント制で重要視されます。また牧師、神父、宗教の長などの証明も必要です。これには本人がどれだけその活動に関わったかが重要なポイントになります。

The Cardinal Wisemanは、キリスト教系の中でもカトリックを重要視するなど、宗教的背景がないと、いくら至近距離に住んでいても、入学許可の可能性はほとんどないと言えます。こうしてみると、非宗教系の学校で評判のいい学校に進学されたい方は、やはりその学校にできるだけ近いところに住むことが一番の解決策です。学力に自身のある方は、バーネットやキングストンにあるグラマー・スクールを受験されるのもよいでしょう。ただ、どちらの学校に進学されるにしても、多様な生徒の中での学校生活となりますので、能力別クラスの上位に入るには、本人の自覚が一番大事な要素と言えます。

校風で評価されている学校

Drayton Manor
Twyford, Elthorn Park
The Ellen Wilkinson
The Cardinal Wiseman
リーグテーブルの順位
The Cardinal Wiseman
Drayton Manor
Twyford

(GCSEは地域の家庭環境が影響して合格率が下がる場合もあります。一方GCSEが普通でも、Aレベルで成果を上げ、進学先も良い場合は、本人次第でしっかり勉強すれば、指導してもらえることができます。)

GCSEとAレベル

今年のGCSEとAレベルの試験結果から伺える傾向を2つ取り上げます。1つ目は、GCSEの5人に1人がA,A*を取った事実に象徴されるように、学校が以前のように平均10科目と多くの科目を取らせず、「少ない科目で良い成績を」上げさせるように指導を変えていることです。これは多くの科目に手を広げるより、少数の科目に限定した方が、リーグテーブルにおける学校評価も上がり、生徒の負担も減り、学校と生徒の双方にメリットがあるからでしょう。

このように最初から科目数を減らす「減量作戦」と並んで、得意な数科目を早めに取り、本来の学年での受験科目をさらに減らす「早取り」が、もう一つの顕著な傾向となってきました。学校によってはY9で受けるキーステージ3のSATをスキップしてGCSEの勉強に早めに着手し、取れる科目から学年を下げて取得して、本来の年齢での負担を減らし、成績を上げるのに役立てています。この傾向を利用すれば、日本人生徒の場合、日本語や数学を早めに終わらせて、その分の精力を英語に傾けることができます。

またこの早取りは、次のステージにも影響します。つまりGCSEとAレベルの間にはかなり程度のギャップがあるので、GCSEを早めに済ませた科目ではすぐにAレベルに取り掛かり、十分な時間をかけて成績を上げる傾向があります。Aレベルでは、4分の1以上の受験生がAの成績を取得しているので、オックスフォード、ケンブリッジなど人気のある大学側は本当に優秀な学生を見分けるために、独自の入学試験を学科別に課しています。例えば医学部受験生はBMAT(医学・生物学の知識を問う試験)を、法学部受験生はLNAT(法学の知識を問う試験)を、また他学科では学科別の筆記試験を受けるとともに、別途エッセーの提出も義務づけられています。一方、上位の生徒たちはAレベルの科目数を多くとることで他の生徒との差別化を図り、大学側にアピールしています。この過熱を防ぐために、2010年からはAレベルにも90%以上の得点に与えられるA*を設けることになっています。

日本の大学を受験するときに求められるAレベルでは、成績の良さと、進学希望学科関連の科目を選択しているかどうかがカギになります。出願する学科に関連する科目を高校で学んでいることはまた、面接で具体的な志望動機を伝える際にも役立ちます。

GCSE・Aレベルの科目を選択する時には、上に述べたことを考慮するだけでなく、帰国枠入試で高い英語力が求められることも踏まえ、英語力の向上に繋がる人文・社会科学系の科目を積極的に選択することを勧めます。

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