現地校相談室

公立の私立化:アカデミー

2011年12月1日

イギリスのセカンダリー・スクールでアカデミーと名のつく学校が多くなってきました。どんな学校なのでしょうか。

主にセカンダリー・スクールで、最近アカデミーと名称を変える学校が増加しています。これは荒廃した公立校に外部から新しい財力を投入して再生させる計画で、トニー・ブレアー元首相の提唱により2000年に始まった教育改革の一環です。名前が変わっても公立校であることに変わりはなく、学費は無料です。また、入学規定も今まで通りで、すでに選抜試験のある学校はそのままその体制を維持できますが、これから新たに選抜試験を設けることはありません。普通の公立と同じようにカウンシルに申し込みをし、無試験で入学できます。

大きな違いは、経営方法です。地方自治体から基金をもらう従来の公立校とは違い、アカデミーは直接、国から基金を受け、さらにスポンサーを募って開校します。スポンサーは、個人、宗教団体、大学、会社、チャリティー団体など様々な可能性があり、それは私立学校の体制に似ています。そのため、従来の公立に比べて校長やスポンサーのリーダーシップが発揮されやすく、自由度が格段に違います。例えば、地域の教育部門のコントロールから離れ、教職員の給料や条件、学校のカリキュラムや日程などを独自に決められます。それにより教育力のある教師が集まりやすく、風紀も改善され、教育効果も上がってきています。

当初、開校したのは年に数校で、公立校が私立化する動きに反発もありました。しかし、最近は急増しており、全国的には1000校以上、ロンドンとその近郊では約160校ががアカデミーと認定されていて、今後もこの傾向は続くと思われます。生徒にとって、より選択肢が広がるので喜ばしい現象だと言えますが、カリキュラムに特色があるので、学校選択の際は注意深く確認しましょう。

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