校長だより

ディベート

2011年3月1日

先月の小中学生を対象にした特別授業では、全教室でディベートに取り組みました。実施後の生徒の感想文を読むと、たくさんの生徒がこのディベートを楽しんだ様子が窺えました。その感想には「よくしゃべりました。」「反論と反論がうまくかみ合うと皆が熱くなって楽しかった。」など積極的に発表したと思われるものがあった一方で、一言も発言できなかったというものもありました。しかし、一言も発言できなかった生徒の感想には「次回は、事前に何についてディベートをするのか教えてもらいたい。よく調べて考えてから臨みたい。」など、発言できなかったことでやる気を失うどころか、向上心が窺える内容のものが目立ちました。私が担当したクラスでも、多くの生徒から「とても楽しかった。」「また、やりたいです。ディベート最高!」などと言われました。

日本人は海外に出ると、外国人に比べ、とかく自分の意見や考えを伝えるのが苦手だということを見聞きしますが、これまでこれは長い歴史の中で染みついた日本人共通の性格のようなもので、なかなか変わるものではないのではないかと思っていました。ところが、今回のディベートにおける生徒の反応を振り返ると、元来、私たち日本人にも、自己主張をしたいというエネルギーや自己主張を臆することなくする能力が十分に備わっていたのではないかと思わされます。先月のこのコラムで私は、討論や英語力において、日本の学生はアジアの学生と比べても、力負けしている現状をお伝えしましたが、今後はやり方次第で大いに挽回できるものと、生徒の反応を見て確信しました。

これまでの特別授業では、最新の科学や社会問題を取り上げ、講義形式で授業を行ってきました。これらは生徒へのよい刺激になったと自負していますが、一方通行のきらいがあったことは否めません。そこで今後は、高校部がこれまで実践してきたように、小中学部でも最新の社会状況を伝えながらもディベートに重きをおいた特別授業を行っていきたいと思います。

現地校に通う生徒に聞いてみると、学校によっては毎日の授業そのものがディベートのようなものだというところもありました。このような授業を小学校から大学まで続けて受けた人には、そうでなかった人は発言力や討論する力において、遠く及ぶはずがないと思わされてしまいます。発言力や討論する力が訓練による賜物なら、私たちJOBAも特別授業のときだけのディベートで事足りるはずがありません。今後は、通常授業はじめ生徒との何気ない会話においても工夫を重ねていく必要があると思っています。また、その工夫をご家庭との間で共有することで、生徒一人一人のスキルアップにつながればと考えています。

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