校長だより

今年の目標

2011年2月1日

先日、日本にいる息子が在学する高校から送られてきた学校通信を読み、がっかりするとともにやるせない思いに駆られました。その学校通信には、修学旅行で訪れた北京と台北のある高校との交流の様子が書かれていました。がっかりしたのは、参加した生徒が書いた作文2点の内容です。優秀作品と思われるこの2点には、いずれも中国人の生徒たち、台湾人の生徒たちの英語力、話の内容に圧倒されたということが書かれていました。しかも、この2つの作文からは訪れた学校がそれぞれの「国」を代表するトップ校であることを理由に、そんな学校の生徒には敵わなくて当然だとの思いが窺えました。学校側も意図するところがありこの2点を載せたのかもしれませんが、気概のなさに情けなくて怒りさえ感じました。

最近の新聞記事では、日本の学生はアジアの学生と比べても、討論や英語力において力負けしているという内容はよく目にしていましたが、2つの作文を通し、日本の将来への危機感が私の中でも現実味を帯びました。

2011年、パナソニックは外国人を中心とした「グローバル採用枠」を全体の8割にすると言っています。ユニクロや楽天、ローソンも外国人の採用を増やすそうで、日本の人材は日本企業にまで見きりをつけられたのかという思いさえします。このような状況の中、人材を育成する教育現場が上記のような状態のままでいいはずがありません。日本の教育現場の改革はもう待ったなしの状態にあると言っても過言ではないでしょう。

私たちJOBAも、日本の未来を見据え、できることをどんどんやっていこうと思います。まず今年は、本格的にディベートに取り組むことにしました。主には特別授業の時間を使うことになりますが、ディベートの手法を用いて多角的に物事を考える力と論理的に考え話す力をつけていきたいと思います。また、英語の授業を改革します。今後の英語の授業では、英国の教材を多用することで、感情や思いが正確に伝わる語彙力や表現力を養っていきたいと思います。今年から、日本語コースも開始します。“ハーフ”の子の日本語力を高め日本への関心を深めてもらうコース、また国語力が落ちて日本への関心が薄れかけている日本人子女を呼び戻すコースなどです。英語力を身に付けた彼らには、日本語力を高めることで、日本社会で大いに活躍してもらえるのではないかと考えました。

今後、日本企業や日本社会が日本人だけでかたまればいいとは決して思いませんが、日本人がしっかりとリーダーシップをとって活躍できる力を、今の子供たちには是が非でもつけたいと思います。

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