校長だより

自立をした子供たち

2011年1月1日

元旦の正月特訓をもって、小6、中3受験生の指導はほぼ終了となります。多くの受験生が入試本番を迎えるのはこれからで、不安は尽きませんが、例年この時期になると私自身の気持ちが落ち着いてくることに気付かされます。今年もいつもと同じように穏やかな心をもって受験生の最後の指導に臨んでいます。

穏やか気持ちでいられるのは、生徒が自立をしてくれたからに他ありません。夏休みを迎えるまでの私は、今年の受験生の言動に対して苛立たしさを感じる日が少なくありませんでした。あるクラスでは、再三の注意にも関わらず、ついついおしゃべりをしてしまう生徒が数名おり、用意をした授業内容の半分も進むことができないというようなことがありました。また、受験や将来についての話をしても暖簾に腕押しで、どうしたらいいものかと思い悩む日々が続きました。それでも常に、この子たちも必ず変わると信じて授業を続けました。

私の予想は当たり、この子たちも大きく変わりました。自分から勉強の質問をし、受験校のことや将来について相談をしてくれるようになりました。今は、彼らに私の持っているすべてを捧げたいという思いに駆られるほど、彼らがかわいくて仕方がありません。自分のことでさえ人任せにするような「子供」を相手にするのは心底疲れますが、自立をした「人」と共に歩むことほど、心地のよいことはありません。自立をした「人」は、それだけで周りを安心させるのだろうと思われます。

さて、受験生を長年指導する中で、いつも不思議だなと思わされることがあります。その1つは、思い煩って損をしたと思わされるほどに、最後の受験までには誰もが自立をするということです。もう一つは、受験に関係なく早くから自立をしている子がいるということです。前者の例からは、人は放っておいても切羽詰まれば誰もが自立をするものだと考えることができます。後者の例からは、厳しい家庭環境から自立をせざるを得なかったという人を除けば、親が早くから自立をするよう仕向けたからだと考えることができるでしょう。

受験を目の前にすることなく、子供が自立をしてくれたら、どんなにか楽なことかと思われます。ただこの自立というのは、待っていても自然と訪れてくれるわけではありません。まずは、親が子供の自立を徹底して促そうと心に誓うことから始めなければなりません。そして、口を出したり手伝ってあげたい気持ちを抑え、できるだけ子供自身が自分の力で物事を行うようにさせることです。本来、子供は自立しようという気持ちを強くもっています。子供の自立が遅れているとしたら、それは親が阻害しているからと言っても過言ではないでしょう。

受験での成功は早めの自立にかかっています。来年の受験生保護者の皆様には、いち早く子供の自立を促す取り組みを始めてほしいと思います。

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