帰国枠入試相談室

大学受験に向けて今からしておくべきこと

2010年9月1日

毎年6月から7月の間にJOBAロンドン校を卒業する高校生は、卒業後の受験勉強を日本でしているのですが、今年は珍しく秋までロンドン校に残る高校生を抱えることになりました。JOBA夏期講習会で中学・高校受験生たちと楽しく勉強をする傍らで、大学受験生と一緒に学科試験の対策や課題レポートの作成、面接の合否を左右するという点で大切な志望理由書の執筆などに追われつつ充実した日々を過ごしています。JOBA高校部の責任者を務めるようになって今年で7年になるのですが、その7年間にわたる指導経験を通して、帰国枠大学入試を受ける予定の中学3年生・高校生に伝えたいことを書こうと思います。

■まず、正確な情報収集を

2011年の受験を控える高校生にとって、今秋からの一年間はまさに勝負の年となるでしょう。中3・高1の頃から計画的に帰国枠入試に向けた勉強をしてきた人は、高校の最終学年を落ち着いて迎えられると思いますが、入試のための勉強は特に何もしてこなかった人は多かれ少なかれ不安を感じていることでしょう。そんな高校生に伝えたいのは、噂に流されて行動してはならないということです。まず入試に関する正確な情報を集め、入試までの限られた時間でその大学・学部に沿った対策をすることが大切です。

受験生が流されがちな噂の一例として「○○先輩は学校での成績が悪く、帰国枠入試のための勉強もほとんどしていなかったのに、○○大学に合格した」というものがあります。しかし、帰国枠入試においては、一般入試によく見られるように、ある先輩の合格事例がそのまま翌年の受験生にそのまま適応されるということはほとんどないのです。同じ大学であっても学部・学科によって試験科目や難易度、イギリスでの統一試験と大学による当日の学科試験の比率が異なりますし、小論文を含む学科試験の成績は、受験生の英語・日本語力の傾向により大きく変わってくるからです。

自分の進路を決めるのはその先輩や噂ではなく、自分自身です。不安に駆られて自分に都合の良い噂を探す時間があるのであれば、その時間を、どの学部で何を学ぶのか・どのような職業に就きたいのかを考える時間に回しましょう。帰国枠やAO入試で求められる志望理由書や課題レポート、小論文や現代文、英語の学科試験の対策を始めてみれば気づくと思いますが、これらの入試対策は想像以上に時間がかかるものだからです。

帰国枠・AO入試の合否は、統一試験の成績ではなく、当日の学科試験の成績や、入学後の具体的な展望(入学後に何を学びたいのかや、卒業後にどのような職業に就きたいのかなど)によって左右されます(書類選考で合否を決める一部の私大は例外です)。日本語・英語両方の言語運用能力が高いことに加え「中学生の頃からThe Economistを毎週講読し続け、国際情勢に通じ、将来の展望も具体的に描けていた」、「高校在学中の職務経験からAO入試で評価される具体的な起業計画を既に作ってあった」というような例でもない限り、難関校の帰国枠・AO入試の対策には平均3年はかかると見て良いでしょう。

 

■手遅れにならないようにするために

この7年間で見てきた高校生の中には、手の施しようのない問題に遭遇している人も何人かいました。それは主に次の4類型に分類されます。

本稿では特に1)と2)について説明を補足します。1)については「日本の高校数学の勉強をしていなかった人でも、高校卒業後に努力すれば大丈夫」という声を聞くことがありますが、難関校の入試に関しては、この方法ではほとんどの人が失敗していると言っても過言ではありません。日本の高校数学はイギリスやアメリカの数学とは異なりますので、現地校や国際校の数学の成績が良い生徒が大学入試でしっかりと得点を採れるとは限らないからです。また、理系や経済学部に関しては、大学での数学の授業が日本の高校数学の理解があることを前提として進みますので、仮に数学の試験を逃れて大学に合格できたとしても、入学後に授業についていけなくなり、単位を落としたり、留年となったり、GPA(大学の評定偏差値)が低くなり、将来の就職や大学院進学に影響を及ぼすことになってしまいます。このような事態を避けるために、JOBA高校部に在籍する中三生全員に数I/Aの受講を促しています。

最近ではごく稀になりましたが、日本の高校数学を学ばぬまま最終学年を迎えた高校生が受験の半年~数か月前に入塾してきた場合には、学科試験の数学の成績が合否を左右する大学・学部の受験は避け、現実的に挑戦し得る大学・学部に出願先を絞り、入試までの限られた時間を論説文読解や英語、社会、小論文の勉強に回すようにと勧めています。

2)については、今秋から最終学年を迎える高校生であれば、出願先の調整によって対処するという道しか残っていないことになります。

現地校・国際校から科目選択に関する調査表が配付されるのは、国際校であれば10年生、現地校であれば11年生在籍中というのが一般的ですが、まさにその学年に在籍し、JOBAの塾生ではない方がいらっしゃいましたら、手遅れになってしまう前に、日本の大学への進学を踏まえた科目選択についての個別相談に応じたいと思います。

志望校への合格は、まず入試に関する正確な情報を入手し、それに沿って受験勉強をすることによって実現されます。高校部では、その正確な情報のご提供と、英語の資格試験や大学の学科試験対策を通して、高校生の皆さんが志望校に合格するためのお手伝いを続けていきたいと思います。

2010年9.10月号
JOBA高校部責任者  仙波 未奈美

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