JOBA本部が行った学校への入試アンケートをもとに、2012年度の首都圏の主な帰国枠中学入試実施校の受験者数と合格者数(1月31日段階判明分)を表にまとめました。以下には、過年度と比較した本年度入試の特徴および受験に向けた注意点をお伝えします。
〈受験者総数減少〉
表に示した学校の総受験者数を比べると2012年度は2011年度に比べ61名減りました。各校別に見てもほとんどの学校において受験者が減り、実践女子学園、洗足学園、攻玉社、渋谷教育学園幕張、渋谷教育学園渋谷など英語型入試を行っている学校での減少が目立ちます。なお、高輪も英語型の入試実施校ですが、今年は攻玉社と入試日が同じであったため余計に受験者が減ったものと思われます。ちなみに、表にある学校の今年度の平均倍率(のべ受験者数÷のべ合格者数)は1・87倍でした。一昨年が2・17倍、昨年度は2・11倍ですから、今年度の入試は概して入りやすかったと言えるかと思います。
〈受験者数増加校〉
今年は受験者を減らした学校が多かった中、大幅に受験者を増やした学校もありました。新たな帰国枠入試を設けて2年目となる海城と、今年初めて1月中に帰国枠入試を行った神奈川にある森村学園です。海城は2タイプの試験の受験者合計で26名の増加、森村学園は国語・算数の2教科型入試を課し、57名が受験しました。昨年の森村学園の帰国生の受験者数は5名のみでしたので、入試日変更による影響がこれほど大きいものかと驚いています。
〈2倍の倍率を乗り越えるのは大変〉
今年度の入試では倍率は下がったとはいえ、2倍に近い倍率を乗り越えて合格を勝ち取るのは容易なことではありません。来年度の受験生は、今から入念に準備をしてほしいと思います。なお、まず大切なことは、第一志望校を決めた上で受験勉強に取り組むことでしょう。その際はいち早く過去問を見てみることが大切です。現段階では過去問は思うようには解けなくとも、過去問を意識して勉強に励むうちに徐々に相応の力がついてくるはずです。
<帰国枠中学入試結果>
(表をクリックしていただくと、大きな表が表示されます。)
2012年03.04月号