JOBA本部が行った学校への入試アンケートをもとに、2012年度の帰国枠高校入試の受験者数と合格者数(3月21日段階判明分)を表にまとめました。以下に、昨年度と比較した本年度入試の傾向や受験生がこの時期にするべきことをお伝えします。
〈帰国枠入試の受験者減少〉
表中の学校における帰国枠入試の受験者総数は、2011年度の合計が1921名、2012年度の合計が1832名でした。これらの学校を見る限りでは、2012年度の帰国枠入試全体の受験者実数も、昨年度に比べ減ったのではないかと思われます。なお、2010年度は2118名でしたので、三年連続で減少していると考えられます。
今年度、受験者数が目立って減少したのは、早稲田実業(35名減)、慶應義塾(29名減)、早稲田本庄(2日程の合計で25名減)、青山学院(24名減)などの学校でした。一方で、帰国枠入試を始めて3年目になる二校、国学院久我山と鎌倉学園(書類審査)は、帰国枠入試の存在が広く知れ渡ったようで、受験者数がそれぞれ20名増、18名増となりました。また、都立高人気が反映してか都立帰国枠実施校(三田、竹早、南多摩、国際)の受験者総数も、昨年に比べ合計で26名増となりました。
今年度は、実質倍率(受験者数÷合格者数)も昨年に比べ下がった学校が多く見られました。その中でも特に目立ったのは学芸大付属高校で、これまで実質倍率が2倍を下ることはありませんでしたが、今年は合格者を例年に比べ増やしたため、1.7倍となりました。
〈受験校の決定は今〉
JOBAでは、5月中旬までに受験校すべてを決定するよう生徒および保護者に伝えています。この時期に受験校が決まっていれば、少し余裕を持って照準を定めた受験勉強に取り組むことができるからです。なお、受験校を細かく決定するには入試日を知る必要がありますが、来年度入試の日程はまだ発表していない学校がほとんどです。まずは、本年度の入試日を参考にして、受験校を決めるとよいでしょう。
〈受験勉強開始〉
9月以降になると、焦りが生じやすく思いのほか勉強がはかどらなくなりがちです。その焦りを乗り越えるためには、それまでに確かな基礎力を身につけておくこと、苦手分野を克服しておくことが大事です。焦りの主な原因は、過去問で思うように点が取れないことですが、十分な基礎力が身についていれば、難しい問題も克服できるからです。受験生には、比較的余裕がある夏休み前の今から、長期・短期の学習計画を立て、基礎力の徹底と苦手分野の克服を目指して本格的に勉強を始めてほしいところです。なお、学習計画を立てる前に、過去問を一度解いてみることが大切です。過去問を解くことにより今後の課題が明確になり、学習計画を的確なものにすることができるからです。
帝京ロンドン、英国立教をはじめとする在欧高校の入試、また、関西学院千里国際、立命館宇治、同志社国際などによる海外入試は、11月下旬から行われる予定です。夏休みが過ぎると、これらの学校の入試までの期間はわずか2ヶ月です。入試はまだ先のことと考えている受験生には、今すぐ気持ちを入れ替えてほしいと思います。
<帰国枠高校入試結果>
(表をクリックしていただくと、大きな表が表示されます。)
2012年05.06月号