子供の学校でPSHEという授業がありますが、これはどんな内容なのでしょうか。
これはPhysical Social Health Educationの略で、日本の保健と道徳を兼ね備えたような内容の授業です。例えば、たばこやアルコール、ドラッグの害、体重コントロールやセックスの問題、暴力やいじめ、人種や性差別問題などを取り上げ、心身の健全な保ち方を学びます。授業の際には、学校外からゲストとして警察や医療関係者、専門機関の人が来て、具体的に、より広い社会的な視野の中で問題を考えます。
健全な市民として社会の中で生きて行くには、一人一人が健康に気を配り、社会に貢献していくことが求められます。また、多民族が共存していくには異文化理解が欠かせず、正しく自己主張し、他人の意見にも耳を傾け、認め合って行くことが社会の安定のために必要なために、このような授業を学校教育に取り入れているのです。
これらの大きな目的を掲げながら、行うことはその学年に合った方法を取っています。お互いを受け入れて協力し、心の垣根を取り除くために、低学年ではクラス全員が円陣を作って、大きな一枚の丸いシートを持ち、その中にボールを入れて、落ちないようにぐるぐる回すゲームなどをします。また高学年ではグループに分かれ、協力してストローだけを使って長い橋を作ったりします。このような共同作業をすることによって、友達の輪が広がるようにしているのです。
イギリスの学校では、人を侮辱する悪い言葉、人種差別的発言、いじめ、暴力などが日本の学校よりも厳しく罰せられます。日本のテレビ番組の風潮を容認して日本と同じ感覚でいたり、親がイギリスの規範に抵触するような言動を家庭で取ったりしていると、子供が習慣的に同じことを学校で行い、大問題になります。ご家庭でも認識を改めて、親子関係、夫婦関係を見直す機会としてください。