帰国枠入試相談室

中学・高校入試の出願と帰国受験

2013年8月7日

来年度の中・高入試に臨む子供がいる家庭では、入学願書や帰国のことで不安を抱き始めた頃かと思います。そこで今回は、出願書類の作成から帰国まで、手続き面における注意点をお伝えします。

〈帰国子女枠受験資格認定〉
帰国枠高校入試において、ICU高校、早稲田高等学院、早稲田本庄高校、都立国際高校および多くの公立高校を受験する場合には、受験資格があるかどうか事前に認定を受ける必要があります。この審査を11月以降にするとしている学校がありますが、その際には注意が必要です。その時期になって受験資格がないと伝えられても途方に暮れるばかりだからです。受験資格を打診することは可能ですので、受験予定校には今すぐ問い合わせをすることをお勧めします。

〈出願書類の準備〉
受験手続の第一歩目は願書を入手することです。学校によっては一学期中に発行するところもありますが、多くは9月?10月にかけての発行となります。願書を海外まで送ってくれる学校は少なく、ウェブ上からのダウンロードもできない場合には、国内の親戚宅などに送ってもらうことになるでしょう。なお、願書には通常費用がかかることをご承知置きください。
出願書類には、入学志願票、在留証明書、成績証明書、在籍証明書、検定料振込証明書、健康診断書、英語力を証明する証書コピー、推薦状、海外生活活動報告書、志望理由書などがあります。受験校により学校が求めるものはまちまちで、一時間で準備できるところもあれば、丸一日またはそれ以上かかる学校もあります。数校受験する場合には、かなりの時間を要しますので、出願書類の作成日を決めて計画的に準備をするとよいでしょう。
なお、ICU高校や早稲田本庄高校のI選抜試験では、現地校生の場合、願書提出の際に、三年分の学校成績とその日本語訳を提出する必要があります。各教科担当教師によるコメントの訳も必要で、多くの時間を要するのは必至です。これらの学校を受験する場合には、早めに翻訳に取りかかってほしいと思います。ちなみにこの翻訳は、英語から日本語の場合には、親がすべて行うか、受験生本人がして親が校正する家庭がほとんどです。

〈検定料の支払いと願書提出〉
入学検定料の支払い方法について、海外子女受け入れ校であっても、日本の郵便局や国内の銀行からの振込みのみで、海外からの送金を可とする学校は多くはありません。また、願書の受理については、国際宅急便を認める学校がある一方で、国立校など、同封物をその場で確認するという理由により窓口でしか対応しないところもあります。
以上のように海外に居ながら出願の手続きをするには困難が伴うことがあります。このような場合には、親戚などにお願いする方が多いかと思われますが、手続きミスがないよう綿密に連絡を取り合うことを心掛けたいものです。

〈帰国と受験〉
一時帰国をして受験する際、現地校に通いGCSEの受検を控えた学年の場合には、長期の欠席は認めてもらえないことがあります。GCSEの一部の試験期間と重なるためですが、その際には腹をくくるしかありません。日本の学校に行きたいのであれば、その事情を現地校側に説明し、英国での大学進学は考えていないことを伝えることです。
なお、一時帰国をした場合には、帰国後の就学の義務はなく、その代わりに入試までの数日間を塾が行う直前講習会に参加するケースが多くみられます。JOBAが行う直前講習会では、寮が完備しており受験生だけが帰国しても受験に臨むことができるようなサポート体制を敷いています。兄弟がいて受験生だけに付添うことができない場合など、私どもの直前講習会と寮をぜひご利用ください。

〈合格発表と手続〉
合格発表後の準備も今からしておきたいものです。学費納入と入学手続きは、合格発表の翌日または一週間以内としている学校が少なくありません。検定料同様に通常海外からの送金はできませんので、日本での学費振込の手はずを整えておくとよいでしょう。

〈本帰国と住民登録〉
本帰国をする場合は、帰国後14日以内に住民登録をする必要があります。またそれに合わせて就学の義務が発生し、義務教育内の年齢であれば学校に通う必要があります。受験を間近に控えた時期の転校は、精神的にもきついものがあります。可能であれば、本帰国の時期を少し遅らせ一時帰国の状態で受験に臨ませたいところです。

2013年07.08月号

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