公立校に申し込みを提出しますと、原則としてお住まいから距離的に一番近くて空きのある学校を割り当てられます。一応希望は出せるものの、日本から年度途中に渡英なさって編入する場合には、なかなかご希望に添わないこともあります。その場合は他の小学校に行って待つことになりますが、その間にアピールの機会が与えられます。また、セカンダリー・スクールの割り当てが、希望通り出なかった場合にも、アピールの機会があります。大抵はタウンホールの一室で行なわれ、数人のカウンセラーの前で、なぜその学校に行きたいのかを述べます。

最初に、日本人学校もあるのに、なぜ現地校に行きたいのかを言う必要があります。この問いに対しては、日本人学校であっても私立校なので学費が発生し、兄弟が多い場合など経済的に苦しいと言うのも現実的な答えです。次に、割り当てられた現地校ではなぜいけないのか、反論しなくてはなりません。これに対しては、距離的に遠く、通うのが大変であることなどを言うと良いでしょう。さらに、行きたい学校には英語補助クラスがあり、早くイギリスの学校に慣れるのにメリットがあるなど、積極的な理由も言うと良いでしょう。

ただし、アピールが成功する確率は大変低い事を認識しておきましょう。公立校は学費が無料であるため、経済的に恵まれていて、私立校へ送る余裕があるのではないかと思われると、なかなかチャンスは巡ってきません。そのため、アピールの際にはスマートな服装で行く必要もありません。ＥＵ域内での移動の自由が認められて、英国に移住した東欧系の人達の人口増加により、現在ロンドンのどの地域も学校が不足する事態となっています。 アピールがうまく行かなかった場合のことを考え、現在の学校に通い続けるのか、私立校や日本人学校に通うことにするのか早めに検討しておくが大事です。