イギリスの私立セカンダリースクール受験には11+と13+がありますが、どう違い、どちらが有利なのでしょうか。
私立校の中でも、「パブリック・スクール」と言われる伝統校、特に男子校では今でも、12歳の時点での受験となる13+の入試のみしか行われません。その試験はCommon Entrance Examinationと呼ばれ、Independent Schools Examination Boardという私立学校協会によって作成される共通試験です。学校によって科目指定が違いますが、英語、数学、科学、地理、歴史、フランス語、ラテン語など科目数が多いのが特徴です。ラテン語も指定されている場合は、それをきちんと教えてくれるPrep(Preparatory) Schoolという私立小学校に行っていないと受験が難しくなります。
一方、11+の方は、小学校最終学年であるYear6での受験となります。この試験は入学時に、生徒が11歳以上になっていることに由来します。試験科目は、英語、算数、リーズニング、さらに学校によって科学が加えられているところがほとんどです。このように試験科目が少なく、また以前から女子は名門校でも11+が普通だったので、昨今の男女共学傾向を受け、男子も11+で受験するケースが増えています。私立学校によっては11+と13+の二回受験チャンスがあるわけですが、優秀な生徒を早めに確保する意味もあって、11+で受験する場合には、ずっとその学校で進学すると誓約させるところもあります。
伝統的な男子校が男女共学に変わるのを契機に、それまで11+と13+の二回受験を行ってきた学校が、11+のみに絞るようになってきています。それに伴い、Prep Schoolに行っていた生徒が 11+の時点で学校をやめるケースが増えたため、時にPrep Schoolから11+受験を止められることもあるようです。進学先の学校の入試制度、お子さんの成長の度合、適性などを考慮して、受験時期を決めましょう。