小学6年生、中学3年生の受験コースの授業は、12月をもって終了となるため、受験生の指導ができるのももう1か月となってしまいました。受験に向けて気力が充実しているように見受けられる生徒がいる一方で、まだ半ば他人事のように構えている生徒もいて我々の心配はつきませんが、全生徒が合格を勝ち取れるよう最後の最後まで精一杯応援していきたいと思います。
受験はテニスなどと同じ個人競技で、試験会場に行けば誰からも助けを得ることができず、黙々と自分と闘わなければなりません。ある意味では、途中でアドバイスを受けることができるテニスよりも、受験は過酷な「競技」と言えるかもしれません。この「競技」でどうしたら「勝つ」ことができるか、この時期の受験生には、そのことをしっかりと考えさせたいところです。ただ、本人の意識の改善と努力だけでは、「勝利」にたどり着けないかもしれません。
テニスの錦織圭選手の活躍の裏には、両親の並々ならぬサポートがあったことを、以前に見た錦織選手の特集TV番組から窺い知ることができました。ただ、錦織選手の両親は、父親が元森林土木系の技術者で母親はピアノ教室の教師です。二人とも趣味でテニスはしていたものの、本格的に取り組んだわけではありませんので、適切なテニスの指導はできませんでした。二人がしたのは、日本・世界各地で行われる試合にとことん付き添ってきたこと、錦織選手が小学生のころから世界を見据えた声掛けをしてきたことなどで、錦織選手の成長を信じて二人ができるサポートを惜しみなくしてきたことです。
保護者の皆様が、宿題を見るなど受験生の学習指導ができれば、それに越したことはありませんが、学習指導だけが適切なサポートではありません。学習面で足りないと思う点については、私たちをうまく使えばよいのです。過去問を眺めながら「勝利」に向けた「作戦」を子供と一緒に練ること、どうしたら「勝てる」か一緒に真剣に考えることなどは、この時期に最も必要なサポートで、どのご家庭にもしていただきたいと思います。実はまだ、真剣に勉強はしていても、「勝利」することに強い意識を傾けて取り組めている生徒は多くないのです。
スポーツなどに限らず受験でも、「勝利」を手にするのは、絶対に勝ちたいと思い、圧倒的な量をこなした生徒です。国内の帰国枠中学入試は11月末から始まり、帰国枠高校入試は1月中旬過ぎから本格化します。入試までに残された時間はあまりありません。しかし、物事は考えようで、1月初めの入試までなら、入試までに30日以上もあります。1日に5題ずつ「漢字」に取り組めば、150問も覚えることができます。さらに1日に5題ずつ計算問題に取り組めば150題、英単語を1日に5個ずつで150題、これだけしても1日30分もあれば十分でしょう。
つまり5×30は150ではなく、何倍にも成り得るのです。
30日もあれば、たくさんの量をこなすことができ、実力アップが図れるのです。
錦織圭選手のコーチを務めるマイケル・チャンは、「練習で自分を追い込むほどに、試合は楽に戦える」と錦織圭選手を諭したことがあるそうです。そして「己を信じなさい。お前ならできる。」といつも言ってくれるそうです。
受験生にも勇気を与えましょう。そして勝ってもらいましょう!