◇特別授業の実施
毎月、各教室で「特別授業」を行っています(8月を除く)。特別授業では、通常授業で扱うことのできない社会問題などを取り上げ、社会への関心を促します。また、そうした問題に対する自分の考えを発表したり、その考えを文にまとめる練習をしています。2016年度の6月から9月の特別授業では、以下のトピックをとり上げました。
●6月「パナマ文書の衝撃」
「パナマ文書」とは、世界の首脳らと租税回避地(タックスヘイブン)の関係を暴いたもので、アイスランドでは首相が退陣に追い込まれ、スペインでは産業大臣が辞任、イギリスでは、亡き父が名を連ねていたとしてキャメロン首相も強い批判を浴びました。そして、去る5月10日「パナマ文書」に登場する二十万余りの法人名と、その関連企業名・個人名が「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」のウェブサイトで公表されました。そこには日本企業や日本人も多数名を連ねています。そこで、6月の特別授業では「パナマ文書」を取り上げながら、租税回避地とは何か、税金の役割について、貧富の差の拡大について授業をおこないました。多くの生徒が、タックス・ヘイブンにある資産の多さに驚いている様子でした。また、「租税逃れは不公正だ」、という感想が多かったです。
●7月「アジア太平洋戦争」
毎年7月には「戦争について考えよう」をテーマに取り上げてきました。今回は「アジア太平洋戦争」と題して授業を行いました。まずは、日中戦争の前史を紹介し、そこから太平洋戦争へと至る過程を学んでもらいました。また、映像を通して、当時はメディアが戦争を煽り、世論が形成されていく様子を紹介しました。生徒たちの感想では、日本の犠牲者数の多さや、メディアの影響力の大きさに驚いているものが多くありました。戦争の恐ろしさを学ぶ良い機会となったのではないでしょうか。
●9月「プレゼンのコツ」
10月に予定しているプレゼン大会に先立ち、9月の特別授業では「プレゼンのコツ」と題して授業を行いました。様々なプレゼンの映像を紹介して、どのようなコツがあるかを生徒たちと一緒に考えました。最後には、十二歳のカナダ人、セヴァン・スズキさんが1992年リオで開かれた国連の地球環境サミットで行ったプレゼンを見てもらいました。
生徒たちは、彼女の力強いプレゼンに聞き入り、圧倒されている様子でした。「見た目は重要だ」「やはり最後は内容だ」などの感想を述べてくれた生徒が多くいました。