Q:学校からSENの先生との面談を設定されました。この面談はどういう意味を持っているのでしょうか。
A:SENは Special Educational Needsの略で、各学校にはSENCOと呼ばれるそのコーディネーターの先生が必ず指定されています。普段教室で教えている先生やEALの先生から連絡があると、SENCOの先生が該当する生徒の保護者と面談をします。逆にお子様のことで心配がある場合には、担任はもちろんSENCOの先生に面談を申し入れることもできます。
イギリスの教育省によれば、SENで扱う内容は、①友達が作れないなど社会面での発達問題、②ディスレクシアなどの読み書きの問題、③理解力、認識力の問題、④多動など集中力の問題、⑤身体的な介助の問題など、その生徒の学習能力に影響を与える問題です。海外生活が初めての生徒は、異文化の中で大変な思いをしながら学校生活を送っています。特に英語を初めて学ぶ生徒は、馴染むまで泣いたり、親に当たったりします。その段階は多かれ少なかれ、誰にでもあります。しかし、最初の一学期を経てもそのような不安定な状態が続く場合には、なるべく早く担任に相談しましょう。担任も生徒に同様の問題を感じていた時には、より専門性の高いSENの先生と保護者の面談が設定されます。
特に、努力しているにもかかわらず、英語の習得が非常に緩慢な場合は、努力が足りないのではなく、ディスレクシアである可能性があります。英語はスペリングと音が必ずしも一致しないため、日本人にとって英語の綴りは困難なものです。それでも大抵は何度も練習すれば、音と綴りの関連が次第に分かってきますが、ディクレクシアの場合は、どんなに練習しても、試験になると思い出して書くことが非常に困難になります。ブリティッシュ・ディスレクシア協会では、人口の10%がディスレクシアで、4%が重度であるとしており、学校や地域での取り組みも進んでいます。日本語学習では判明しなくても、英語学習を始めてディスレクシアの兆候が見えてくる場合も多くあります。早く兆候を見つけて、適切に対処し、学力を増進できる勉強法で学習することが勧められます。