●ストレスを味方にするアクティブリスニング
《ゴードンメソッドによる子育てのヒント》
子どもが何らかのストレスを感じたり、負の感情を抱いたりした時に、親が子どもの感情を汲み取り、それを言葉にしてフィードバックすることをアクティブリスニングと言います。
今回は、子どもがストレスを抱えたときに、それを成長のバネにできるような言葉のかけ方についてお伝えします。
例?
A子「宿題が多くて間に合わない、どうしよう!」
母「宿題が多くて、とても大変なのね。」
例?
B太「C夫ばっかり、ズルイよ!」
母「不公平だと思うのね。」
このように、親が子どもの感情を正しく理解していることを伝えると、子どもは自分の負の感情を自覚し、整理することができます。その結果、自分で考え、自分で問題解決に向かうのです。
親があれこれアドバイスするよりも、子どもの思考力をしっかりと発揮させると、ストレスをバネにすることができ、本人の自信と自立を大きく育てます。
ゴードンメソッドとはアメリカの心理学者トマス・ゴードン博士によって開発された子どもの自立を促進する効果があるコミュニケーションの方法です。
子どもの自立を促す上で効果的な親の関わりを、ゴードン博士は以下のように5つにまとめました。
1.子どもの話を正しく聞く
2.親の考えを分かりやすく伝える
3.親子の対立を双方が満足する形で解決する
4.子どもが伸びる環境を整える
5.親が大切にしている価値観を伝える
ゴードン博士は親向けだけでなく、教師向け、医療関係者向けなど、様々な実践的なコミュニケーションの方法が学べる講座を開発しました。
ゴードンメソッドは世界各国で多くの親や教師によって学ばれ、実践され、その素晴らしい効果が実証されています。
= 松浦留美子 =
Gordon Training Institute によって認可されたインストラクターとして、1986年より日本親業訓練協会に所属し、ゴードンメソッドの各種講座を提供。2002年からロンドンに住み、JOBAロンドン校で保護者向けの「親業ミニレクチャー」や「親業訓練講座」を開講。2019年1月に日本へ帰国後も、海外で子育てに奮闘する保護者の方々に役立つ情報を発信中。