校長だより

教科学習以外に必要なこと

2021年10月5日

中高入試が間近に迫り、今年の受験生もいよいよ真剣みが増してきました。ぜひ全員に成功を勝ち取ってほしいと思います。

今年度の入試では、長引くコロナ禍の影響を受け、オンラインや書類のみによる入試を行う学校数が昨年度を上回りました。これらの入試は全般的に早い時期に行われ、9月中旬に行う学校もあります。日本に帰国して受験する場合は、3日間の指定ホテルでの滞在を含めた2週間の隔離を余儀なくされますので、これらの入試はありがたく活用したいものです。

今年度のオンライン入試では、書類や面接のほかに国語・算数(数学)・英語など教科試験をオンライン上で行う学校が増えましたが、書類・面接・作文のみの学校も少なくありません。オンライン入試に臨む場合には、面接や作文試験に向けた最後の詰めを行う必要があります。

帰国枠入試の日程は、書類・面接・作文型から始まり、その後に教科型が続くのですが、子供たちに必要な学びの優先順位に合っていると言って良いかもしれません。まずは、書類・面接・作文入試に合格できる力をつけ、その次の段階として教科入試に合格できる力をつけることが理想的だと考えるからです。

書類・面接・作文試験では、社会で役立つ力をどの程度身に着けたかが問われます。書類では、欠席日数を確認しますが、皆勤賞が評価されるのは、将来しっかりと仕事に向き合えると考えられるからです。授業中に積極的に発言することが評価されるのも同様です。面接では、身の回りのことを説明できるかどうか、将来の夢、社会的関心などが問われます。いずれも子供たちの将来につながる力です。

受験での成功を考えたときに、まずは学校生活と家庭生活を通して、書類・面接・作文試験に合格できる力を身につけることが大切です。その上で、教科試験に向けた学習を強化してください。教科試験に向けた学習だけでは、将来における成功はあり得ないと言えます。

私たちは教科学習を通した思考力の強化をしながら、次のような力をつけてもらうことも重視しています。挨拶を大事にする態度、他人の意見を尊重する態度、期限や約束を守る習慣、粘り強くあきらめずに考える力、正しく聴く力、注意力、質問力、発表力、などです。私たちはこれからも、子供たちの将来を見据え、社会で役立つ力を養えるよう上記を念頭に置いた指導を心掛けたいと思います。

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