現地校相談室

ホリデーや受験のための長期欠席届に注意

2012年1月20日

受験のために日本に一時帰国しますが、長期欠席が許可してもらえるかどうか心配です。

イギリスでは1998年に「学校水準体制法」が制定され、それに関連して教育省よりHome-school Agreement(家庭と学校の同意書)について省令が発せられました。教育の効果を上げるためには、規則正しい勉強の継続が欠かせません。無断欠席を防ぐために、法令では当日の遅刻、欠席について、手紙で事後報告する義務が定められています。また、政府からは少なくとも全授業日数の95%に出席することが求められており、10日以上の欠席は問題視されることになります。病気の場合など不可抗力の時を除くと、歯科医の予約なども、学校の時間外や休み中の受診が奨励されています。

欠席理由における一番大きな問題が、学期中のホリデーです。前述の法令が定められるまでは、旅行代金が高いハーフタームや長期の休みを避け、学期中にホリデーを取るため子供に学校を休ませる親が多くあり、学校教育に支障が出ていました。

法令を境に、現在ではホリデー理由の事前許可はほとんど下りなくなりました。許可を取らずに休むことをunauthorised absenceと呼び、地方自治体はそのような欠席をさせる親に罰金を科す権利を有します。安易なホリデーの計画には、十分にご注意ください。

ホリデーでなくとも、日本での受験のために長期に渡り欠席する場合も問題となります。事前の許可を得るためには、あいまいな表現を避け、「○○学校:○月○日、△学校:△月△日)などと、試験日を明確に提示して、必要性を説いて許可を求めます。受験生本人への許可は下りても、受験生の兄弟が一緒に日本へ帰るとなると、ハードルがより高くなります。欠席許可が下りず、父親と下の子供のみイギリスに残り、通学を続けさせたという例もあります。受験を成功させるには、イギリスの教育法も事前に考慮して、受験全体のスケジュールを立てることが必要です。

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