校長だより

就職難?逆境こそ好機に

2010年11月1日

今年8月に文部科学省が発表した学校基本調査によると、この春に4年制大学を卒業した54万1千人のうち就職した人は32万9千人で、就職率は60%という低水準に留まりました。 一方、大学院などへの進学者は、4千人増えて過去最高の13.4%となり、また16.1%にあたる8万7千人は、就職も大学院への進学もしない「新卒無業」の状態にあると発表されました。

就職率が55.1%となった平成15年を含む就職氷河期から比べれば回復しているものの、今も続く就職難には不安を禁じえません。有名大学には入ったが、 20社以上の会社で面接を受けても1つも内定がもらえないというような人が少なからずいるようで、週刊誌やネットの記事からは学生の悲鳴が聞こえきます。現に私どもJOBAへの採用説明会参加者の中にも、20社、30社を回ったという学生がおり、就職難の現状を垣間見る思いです。

このような状況の中、生徒には、できるだけ早いうちに仕事や就職について考えさせる機会を多く持たせることが必要なのではないかと感じています。就職が決まり連絡をくれる卒業生は、当時小学生や中学生だった彼らに話した「仕事をする意味」や社会で活躍する人々を紹介した「特別授業」がとても役に立ったと言ってくれており、就職についての考え方を伝えるのに早すぎることはないとの思いがあるからです。

先日、ある日本企業の人事担当の方と話をしたところ、その方の会社では例年 70名を採用しているが、 何十倍もの難関をかいくぐってきても、情熱ややる気が感じられる人は1割にも満たない、というようなことをおっしゃっていました。残念なことですが、これは逆に考えれば、やる気のある人にはチャンスも多いということです。私たちの生徒には、これからの時代を就職には好機と捉えさせ、社会でどう役立ちたいのかしっかりと考えさせたいと思いました。

現在、各教室において、中高入試に向けた面接練習に取り組んでいます。その中で最も重視しているのは、将来の夢や希望する仕事についてです。これらをどのくらい熱い思いを持って語れるか、またその思いと進学を希望する理由をどう結びつけることができるかが、就職での面接同様、入学試験で面接試験を突破するカギになると考えています。
JOBA生の受験での成功を祈っています。

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