JOBA本部が行った学校への入試アンケートをもとに、2011年度の帰国枠高校入試の受験者数と合格者数(3月28日段階判明分)を表にまとめました。以下には、昨年度と比較した本年度入試の特徴や受験校決定の際の注意点をお伝えします。
〈受験者合計減〉
表に示した学校における帰国枠入試の受験者総数は、2010年度の合計が2202名、2011年度の合計が1994名でした。これらの学校を見る限りでは、2011年度の帰国枠入試の受験者実数は、昨年度に比べ減ったのではないかと思われます。
なお、表に示した学校における2009年度の受験者総数は2006名でした。今年度、表の学校において受験者を増やしたのは、市川、早稲田実業、ICU、渋谷幕張、筑波大附属駒場でした。市川は、6年前に共学化して以来人気が上昇し、帰国枠においても受験者数が年々増えています。ICUは、4年前に入試方法を推薦入試、A入試、B入試に変えてから受験者数が増えており、3教科型であるB入試の本年度の合格倍率は2・7倍、書類によるA入試でも、1・7倍になるなど難化傾向にあります。筑波大附属駒場では、合格者41名中に帰国生が8名入りました。これまでの帰国生の合格数は4名程度でしたので、今年度の帰国生の実力は非常に高かったことが窺えます。これまでに4年間連続して受験者数を増やしてきた青山学院は、一昨年の受験者数と同程度に減りました。
〈受験校の決定は今〉
JOBAでは、5月中旬までに受験校すべてを決定するよう生徒および保護者に伝えています。この時期に受験校が決まっていれば、少し余裕を持って受験勉強に取り組むことができるからです。なお、受験校を決定するには、入試日程を知る必要がありますが、この時期にはまだ来年度入試の日程は発表していないところがほとんどです。ただし、本年度と大きく変わることはないと思われますので、「海外・帰国生のためのスクールガイド(ビブロス)」などを参考にして、本年度の入試日程をもとに受験校を決めるとよいでしょう。
〈受験勉強開始〉
受験校が決まったら、作戦を練ることが大切です。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」まずは、過去問を解いてみることでしょう。未学習範囲がある場合には、わからない問題が多いかもしれませんが、課題が明確に見えてくるはずです。ICUなど書類を中心に選考する学校では、学校の成績が重視されますので、この時期からはこれまで以上に成績を意識して学校生活を送る必要があります。また、目標とした英検などの資格については、必ず合格できるよう真剣に学習に取り組むことも大切です。
帝京ロンドン、英国立教をはじめとする在欧高校の入試、また、関西学院千里国際、立命館宇治、同志社国際などによる海外入試が十一月下旬から行われる予定です。夏休みが過ぎると、これらの学校の入試までの期間はわずか2ヶ月です。入試はまだ先のことと考えている受験生には、この場で気持ちを入れ替えて今すぐ本格的な勉強に取りかかってほしいと思います。
<帰国枠高校入試結果>
(表をクリックしていただくと、大きな表が表示されます。)
2011年5.6月号