1992年より、南ドイツのバート・ザウルガウに校舎を構え、在欧の中高生の指導にあたってきたドイツ桐蔭学園が、残念ながら来年以降の募集を停止し、順次閉校することになりました。また、本校である桐蔭学園は中学校・高校の海外入試(ロンドン、デュッセルドルフ、ドイツ桐蔭)を行ってきましたが、本年度は海外入試を取り止め、代わりに高等学校についてのみ書類による入試を導入する予定とのことです。昨年から日大系列学校の欧州入試も行われなくなりましたので、欧州で入試を行う日本校は、古くからロンドンでの入試を実施してきた関西の学校のみになる予定です。
桐蔭学園の欧州撤退により、日本全体で帰国子女への興味関心が薄れてきているような印象をもたれた方も少なくないかもしれませんが、そのようなことはありません。帰国子女入試を新規に取り入れ、帰国子女の活力を学校全体の活性化に活かそうとするところも少なくないからです。また、帰国子女に大きな期待を抱き、世界を視野に入れた「世界水準」の教育を目指そうとする学校も出てきています。この「世界水準」を目指す学校が、まさしくロンドンで入試を行う関西の学校です。
以下には、今年度ロンドンで入試を行う関西の4校についてご紹介します。
【同志社国際学院(DIA)】
同志社大学の付属校として、インターナショナルスクール(国際部)と同じ敷地内に日英バイリンガル教育を行う小学校(初等部)を併設した新しい学校、同志社国際学院(DIA)が2011年に開講されます。
対象学年 2011年度小学1年生?小学3年生
出願期間 2010年8月2日(月)?8月9日(月)
試験日 2010年9月10日(金)
*国際部は2011年11月開講予定。対象は1年生から12年生、2010年11月1日(月)より募集開始。
【同志社国際高等学校】
学芸大附属大泉、ICUに続き1980年に開講した本格的な帰国子女受け入れ校。英語・国語だけでなく数学・理科・社会においても習熟度別クラスが設けられているのが大きな特徴です。中学校の入試は国内のみの実施ですが、高校については以下の日程でロンドンでの入試が行われます。
対象学年 2011年度高校1年生、高校2年生
試験日 2010年12月10日(金)
*出願期間は6月半ばに決定予定
【関西学院千里国際中等部・高等部】
インターナショナルスクールを同敷地内に併設する、日英バイリンガルの環境に置かれた中学校・高校。同志社国際学院に先駆け、1991年に設立されました。(同志社国際学院の校長になられる先生は、2009年まで千里国際の校長を務め、この学校の基盤を築き上げた方です。)2010年4月より関西学院と正式に合弁。これにより卒業生の進学先として関西学院大学への推薦枠は広がるようですが、他校の推薦枠もあり、進学先は生徒の自主性を尊重するとのことです。
対象学年 2011年度中学1年生?高校3年生
出願 2010年10月28日(木)?11月1日(月)
試験日 2010年11月21日(日)
*入試要項はホームページからダウンロードできます。
【立命館宇治中学校・高等学校】
関西では、同志社国際に次いで多くの帰国生が入学している学校。2009年8月には、IBO(インターナショナル・バカロレア機構)にIBディプロマ認定校として正式に認められるなど「国際水準の教育」を目指した教育プログラムを実践しています。高等学校には、普通コースとSEL(Super English Language)コースがあり、SELコースのAIP(Advanced Immersion program)を選択し成績が基準に達した場合には、海外の大学への進学も可能になるそうです。
対象学年 2011年度中学1年生、高校1年生
出願 2010年10月29日(金)?11月12日(金)
試験日 2010年11月27日(土)
以上入試内容ほか詳細は、インターネットまたは願書をお取り寄せになりご確認ください。
昨今、「内向き」な日本人が増えていると言われる中、世界を視野に入れて果敢に挑戦を続ける上記の学校には勇気づけられます。これらの学校関係者に会い、学校の取り組みを詳しく伺ってみると、今後の日本のリーダーの多くは関西から輩出されるようになるのではないかとも思わされました。
2010年7.8月号