中学高校入試を控えた受験生はいよいよ正念場、一方、保護者の方も出願書類や帰国の準備に慌ただしい毎日をお過ごしのことと思います。今回は、出願書類の作成から帰国まで、手続き面における注意点をお伝えします。
1) 帰国子女枠受験資格認定
前回のコラムでもお伝えしたようにICU高校をはじめ、早稲田高等学院、早稲田本庄高校および多くの公立高校の帰国枠受験では、資格認定を事前に受け、出願の際に認定通知書を同封する必要があります。
2) 出願書類の準備
出願書類には、入学志願票、在留証明書、成績証明書、在籍証明書、検定料振込証明書、健康診断書、英語力を証明する証書コピー、推薦状、海外生活活動報告書、志望理由書などがあります。受験校により学校が求めるものはまちまちで、1時間で準備できるところもあれば、丸1日またはそれ以上かかる学校もあります。数校受験する場合には、かなりの時間を要しますので、出願書類の作成日を決めて計画的に準備をするとよいでしょう。
海外生活活動報告書、志望理由書は受験生自身が記入するものですが、内容や文の校正をして受験生本人の魅力を十分に引き出したものにしたいものです。
3) 検定料の支払い
出願の際には、検定料を支払った証明となる用紙を同封します。検定料の支払いは、郵便局や指定の銀行からとなっており、通常海外からは送金できませんので、日本にいる親戚などにお願いをすることになるでしょう。
4) 願書提出
国際宅急便にて願書を送付し受理してもらえる学校もありますが、国立校などでは、窓口のみで受理し、同封物の確認をするところがあります。この場合には、親戚などにお願いをすることになります。
5) 帰国と受験
海外に住所をおいたまま一時帰国をして受験をする場合には、帰国後就学の義務はなく、その代わりに入試までの数日間を塾が行う直前講習会に参加するケースが多くみられます。JOBAが行う直前講習会では、寮が完備しており受験生だけが帰国しても受験に臨むことができるようなサポートをしています。兄弟がいる場合は、兄弟の学校のことがあり、長期にわたっての一時帰国は、困難を伴いがちです。このような場合には、JOBAの直前講習会と寮をうまくご利用ください。
6) 合格発表と手続き
合格発表翌日または一週間以内に、学費を納める必要のある私立校は少なくありません。検定料同様に通常海外からの送金はできませんので、日本での学費振込の手はずを整えておく必要があります。
7) 入学予定者説明会
合格発表後、合格者と保護者を対象にした説明会を行う学校があります。一時帰国のフライトを予約するときには、説明会の有無を確認し、この日程を考慮したものにしましょう。また、チケットは変更可能なものを購入することが大切です。
8) 本帰国と住民登録
本帰国の場合、帰国後十四日以内に住民登録をする必要があります。またそれに合わせて就学の義務が発生し、たとえ英国で9年の過程が終了していても、中3相当の年齢であれば、公立中に通う必要があります。受験を間近に控えた時期の転校は、精神的にもきついものがあります。可能であれば、本帰国の時期を少し遅らせ一時帰国の状態で受験に臨ませたいところです。
2009年11.12月号