帰国枠入試相談室

帰国枠中学入試英語に向けた準備

2009年5月1日

帰国枠中学入試を行う学校の一部では、入試に英語が課されています。これらの学校は、英語は習熟度別にクラス分けをして授業を行うなど、英語力を伸ばす工夫をしているため、いずれも人気があり、入試の難易度は年々上がってきています。今回は英語の入試の対策として、どのような準備をしておけばよいかをお伝えします。

〈出題形式・内容・難易度は様々〉
英語を入試に課す学校では、英語に加えて面接を行い、学校によっては国語・算数(2教科または1教科のみ)や日本語作文などを組み合わせて入試を行っています。英語の試験内容については、英作文のみの学校と、文法・読解・作文を取り入れている学校があります。問題の難易度は学校により様々で、英語の得点を重視する度合いも異なります。

2009年度入試、入試合格者と英検合格級の関係〈英検準1級は必須か?〉
帰国枠中学入試に英語を課す学校を受験するならば、英検準1級の合格が必要だと考えている方は少なくありません。実際はどうなのか、英語と面接のみで入試を行う2校の様子を通して考えてみます。
右の表は、東京都にある攻玉社中学と神奈川県にある洗足学園中学における、今年度帰国枠入試の合格者と英検合格級の関係を表したものです。
攻玉社の英検準1級以上合格者の入試合格率は90%になります。一方洗足学園に関しては、英検準一級に合格しながらも入試には合格できなかった生徒が多いことがわかります。
この表には書き表していませんが、洗足学園ではTOEFL(iBT)を受験している生徒が6名おり、6名(最低点70点)全員が入試に合格しています。またTOEICを受験している生徒7名のうち、6名(最低点700点)が入試に合格しています。
英検準1級は文法が出題されず、経済などの社会的な内容を理解できないと合格は難しいような内容です。そのため英検で計れる英語力と、各中学が求める英語力とが一致しない場合があります。攻玉社のように社会的な関心を問うような出題傾向の学校には、英検準1級の学習も活かされます。しかし、洗足学園のように多くの学校の場合は、英検準1級の合格に固執するよりも、まずは英検2級で出題される語彙や文法内容で理解できていない部分を十分に身につけることや、TOEFLやTOEICなどの教材で正しい文法を学習することの方が直接の対策になると言えます。

〈入試問題に合わせた対策を〉
英語入試問題の作成意図は、学校により異なります。攻玉社であれば、社会的な関心を問い、新聞が読めるような英語力を要求しますし、洗足学園であれば、TOEFLに近い出題形式で文法を中心とした総合的な英語力を問います。入試を控えた六年生であれば、過去の入試問題を早めに手にいれ、より出題形式にあった準備をすることが大切です。

2009年5.6月号

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