来年度の受験生を抱えるご家庭では、何かとご不安を感じていらっしゃる頃かと察します。今回は、家庭での受験生のサポートの仕方、また親のストレスを最小限にするための工夫などをお伝えします。
〈自立を促す絶好の機会〉
自分で何かを決めることが少なかった子供は、受験と言われてもそれが自分自身のためにするものであることをなかなか受け入れることができません。そのため親が学校について調べたり、参考書・問題集を買い揃えるなど先走っても、子供の気持ちと親の心配がかみ合わず互いにストレスを溜めることになります。このような場合は、まずは親の考えを改めることが必要です。受験というハードルを越えるには、テストで点数を取ることが必要条件になり、親もこの点に固執しがちですが、それ以上に大切なことがあります。それは、受験校の選択や勉強方法について、自分で考え、自分で決められるようサポートすることです。実は、子供が受験は自分のために必要だと心底理解することができれば、この段階ですでに受験結果にも大きな期待が持てるといえます。受験を子供の自立を促す絶好の機会と捉えたいものです。
〈夢を育てる絶好の機会〉
多くの帰国子女受け入れ校の入試では、書類や面接を通して志望動機や将来の夢を聞いてきます。これは、将来への希望や夢を持っている生徒は、はじめのうちは成績が振るわなくても長い目で見れば、大きく伸びる可能性があるからです。普段、社会に関心がなく、夢など考えたこともなかった子供にとっても、受験では、将来への希望や夢を考えざるを得ません。この機会をうまく利用し、子供の夢を育てたいものです。将来に希望を見出せた子供は、多少受験勉強がつらいと思うことがあっても、明るく元気にこの試練を乗り越えることができます。
〈親にできること〉
受験は、子供の将来を左右する可能性があり、親であれば誰でも子供の役に立ちたいと思うでしょう。ところが親の気持ちとは裏腹に、学年が上がるほど自分で何とかしたいという気持ちが強まり親を頼ろうとはしなくなります。このため、親は子供の状況がつかめず不安になりストレスも溜めがちです。親にできることは限られていますが、次のような関わり方はできるはずです。
以上1)?5)は、受験生に必要なサポートですが、子供と相談の上実施を決定することが肝要です。計画を子供と一緒に立てた上で1)?4)を実施するのであれば、子供も納得をして前向きに話を聞くでしょう。
2009年3.4月号